◆高額な電気代に絶句。一馬力で家計を支えるシングルマザー
約半数が貧困状態にあるといわれる日本のひとり親家庭。山梨県在住の介護職員で、高校生と大学生の娘を持つシングルマザーの飯倉由美さん(仮名・48歳)は、「月20万円の家計は常に火の車、少しの値上げでも影響は甚大」だと嘆息する。
「アパートの家賃や教育費、車のローンなどを差し引くと、手元に残るのは月6万円。この金額で、食費・光熱費含め家族3人の生活費全般を賄っています。特に今年は電気代とガソリン代の値上げに慄き、必死で節約しました」
◆新電力に切り替えるも…
冬場はエアコンを使わず灯油ストーブで凌いでいたが、相次ぐ値上げに耐えかね、今年の2月には新電力に切り替えた。
「ですが、電力の取引価格の高騰により1か月で新電力の会社が倒産。ほかの会社も新規受け付けをしておらず、元の大手電力会社に戻ってしまいました。値段がかさむのを恐れて、30アンペアでしか契約しなかったので、頻繁にブレーカーが落ちます」
外食は久しくしていない飯倉さん。近所のコンビニで半額惣菜を買い込んで、家族でパーティを催すのが今のささやかな楽しみとなっているという。