◆コロナ禍で増加したアルコール依存症

 近年、コロナ禍で浸透した“自宅飲み”の影響で、アルコール依存症またはその予備軍の人たちが増えたと指摘する声がある。厚生労働省の「アルコール健康障害対策」によれば、その定義は「大量のお酒を長期にわたって飲み続けることで、お酒がないといられなくなる状態で、精神疾患のひとつ」とされている。

 実際、アルコール依存症になると仕事や生活にどのような支障が出るのか。自身の経験を語ってくれたのは、新潟県を拠点に活躍するラッパー・USUさん(42)だ。かつてはアルコールに溺れるがあまり心身ともボロボロになり、音楽活動の「引退」を表明したUSUさんであったが、周囲に支えられて再起。音楽活動を再開し、アルコール依存症の治療へ取り組んでいる。

◆波紋を読んだ引退ツイート。1日4L飲酒が日常的に

 日本最大のヒップホップの祭典「B BOY PARK」への出場や、一斉を風靡したラップバトル番組『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)への出演など、MCバトルでも数々の功績を残してきたUSUさん。しかし、2018年9月17日にツイッターで「USUは引退させて頂きます」とはじまる悲痛な一文をつぶやき、一時は音楽活動から離れた。その背景にはアルコール依存症があったそうだ。

――引退ツイートをした当時は、どのような状況だったのでしょうか。

USU:ツイートした日付けは、今もはっきり覚えています。ただ、つぶやいた瞬間の状況となると……。飲みに飲みまくって意識もない状態だったと思いますね。元々、ツイート自体は下書きしていたんですよ。投稿のボタンさえ押せば、いつでもつぶやける状態にしていて。当時は、前妻と離婚してから、彼女との間にできた息子とも会えない日々の苦しさからお酒へ逃げるようになって、「いつ引退してもいい」と考えていました。