◆金の長期上昇トレンドは続くのか
「インフレというのはモノの値段が上がること。金融市場でモノといえばコモディティです。コモディティ市場では過去、大きく上昇する『スーパーサイクル』を繰り返してきましたが、今は5回目のスーパーサイクルと見られます」
そう解説するのはコモディティ投資に詳しい大橋ひろこ氏だ。コモディティといっても原油や金、大豆など銘柄はさまざま。今注目すべきは?
「大豆や小麦などは穀物なのでサイクルが短く、原油は値上がりすると需要が減るため長期的な上昇トレンドになりにくい。初心者なら金やプラチナでしょうか。金には通貨としての顔もあり、米ドルなど法定通貨の流通量が増えるにつれて値上がりしてきました。ライバルのビットコインがまだ信用を確立できておらず、金の長期上昇トレンドは変わらないでしょう」
◆水素社会へ向けた需要拡大にも期待できるプラチナ
円安で価値が下がる円よりも金のほうが信頼できそう。
「金よりも希少性が高いのはプラチナ。’00年代には金よりも高価でしたが、欧州での排ガス不正問題で金だけでなくパラジウムにも逆転され低迷が続いています。
ただ、高くなったパラジウムからプラチナへの代替が進んでおり、水素社会へ向けた需要拡大にも期待できる。プラチナが再び金やパラジウムを追い抜くのではないかと見ています」