現在放送中のドラマ『マウンテンドクター』(関西テレビ制作・フジテレビ系列にて毎週月曜よる10時~)で、山荘で働く小屋番・丸山絵理子役を演じている工藤美桜。
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戦隊シリーズでブレイクした後も映画、ドラマなどさまざまな作品で活躍し、公開中の映画『赤羽骨子のボディーガード』にも出演するなど、「俳優」という大きな山を一歩ずつ着実に登っている。


山派だけど「三半規管が弱く、高低差が苦手」

――タイトルの通り、山を舞台にしたドラマとあって、スタジオセットでの撮影とはまた違う趣きがあるのではないでしょうか。

もともと海か山かといったら山派だったので、もっと細かく言うと湖派なんですけど(笑)、広大な山の景色のなかで撮影できるのはすごい贅沢だなって思います。映像を見ても他にはあまりないというか、山の良さ、壮大さがとてもでているし、出演できてすごく嬉しいです。

――今回演じている絵理子は山荘の小屋番ということですが、工藤さん的に役作りなどで心がけていることは?

山荘のシーンでは誰かの後ろでも常に忙しく動くようにしています。これから先の展開も含め、一緒に働いている幹太くん(吉田健吾)との関係性も想像してもらえたら嬉しいですね。

――工藤さん自身は山小屋で働けそうですか。

どうだろう……三半規管がめっちゃ弱くて高低差が苦手で……(笑)。すぐ耳がキーンってなるんですよ。慣れればぜひ働きたいです。

――共演者の方々とのエピソードについて教えてください。

主演の杉野遥亮さんをはじめ、みなさんとても温かく迎えてくれましたが、クランクアップのとき、鮎川玲役の宮澤エマさんから「絵理子の『私、山が好きなんです』という言葉(※第4話で落雷に打たれたものの、山小屋に復帰する絵理子が言ったセリフ)にすごい前向きな気持ちをもらえて、その後のお芝居がやりやすくなってありがとう」と言っていただいたのがすごく嬉しかったです。

山登りの心配事は「体力」と「熊」

――工藤さん自身の登山経験は?

高尾山に登ったことあります。山登りってキツいけど、「あぁ、一個達成できた」っていう達成感が大きいと思いますね。

――このドラマをきっかけに山登りに興味を持ったとか?

行ってみたいとは思いましたが、やっぱちょっと体力がなさすぎて……(笑)。
撮影場所まで20分ほど登山したのですが、とってもキツくて。でも、これでしんどいってなっていたら、とても山なんて登れないですし、安易な気持ちで手をだしてはいけないなと。

――そこは慎重なんですね。

そうなんです。自分のことでみんなに迷惑かけられないので。あと最近は熊がいますから(笑)。

工藤美桜、25歳を目前に直したいこと「3人以上だと、もう……」
工藤美桜 マウンテンドクター
――改めてドラマの見どころについて聞かせてください。

絵理子の山に対するまっすぐな気持ちだけでなく、山の良さが伝わる映像美や、みんなが一丸となって頑張っている姿を見て何かを感じてくれたら嬉しいです。私もこのドラマに出演するまで山について知らなかったことも多かったですし、危険なことや大変なこともありますけど前向きな気持ちで山に関心を持ってもらいたいですね。最終回に向けて山小屋メンバーの絆も深まっていきますので、そこもぜひ見て欲しいです。

自分の可能性を自分が信じてあげたい

――俳優という仕事において工藤さんが大切にしている価値観、核になっている想いは何でしょう。

このお仕事を10歳くらいからやっていて、もう人生の半分以上になるんですよね。今までいろいろありましたけど、やっぱり「好き」っていう気持ち、だと思います。


楽しいだけじゃダメってわかっているんですけど、すごい楽しくて。辛いとか大変だとか思うようなことも、楽しいんですよ。マイナスなイメージを持つことがないんです。

――それは素敵ですね。

仕事以外のことで悩んだりネガティブになったりしますけど(笑)、好きだからこそ諦めたくないし、自分の可能性を自分が信じてあげたいなって。信じ続けて頑張りたいです。

工藤美桜、25歳を目前に直したいこと「3人以上だと、もう……」
工藤美桜 マウンテンドクター
――逆に自分を客観的に見た場合、まだまだ足りない部分は?

……ありすぎます(笑)。どうしても苦手意識が先行してしまうというか、やったことのないことに対して尻込みしちゃいますね。それこそ勇気を持ってやり切る力を持ちたいです。

この前、初めてコメディーの作品に挑戦したんです。でも、「こういうキャラをつけてください」って言われて、本番まで「これでいいのかな?」って、すごくいろいろなパターンを考えて臨んだんです。撮影が始まるまですっごいドキドキ緊張して、考え込んで、ネガティブな気持ちにもなったりして。


――試行錯誤したんですね。

結果的に「すごい良かった」って言っていただいたので自分でも安心しましたけど……。“強い気持ち”が欲しい(笑)。

――具体的にはどういうことですか?

自分で「これかな?」って思ったものをすぐにパッと出す強さというか。けっこう周りの目とか他の方の意見とか尊重しがちなので、強く提案できる気持ちが欲しいです。

大人の女性とは「常にフラットでいる人」

――初めてこうしてお話を聞くのですが、ぶっちゃけ工藤さんってどんな人なんですか?

良いところは飾らないところです。直したいところは気分屋なところです。

――「飾らない気分屋」なんですね。

もちろん仕事では違いますよ(笑)。どちらもそのままの自分なんですけど、親とか友だちとかプライベートで気を許した人の前だと「えー、やりたくない」とか「気が乗ったらねー」とか言いがちですね。あと、頑固かも。

――でも、それは自分の中にそれだけ確固たる意思があるということでは。

かなり良い感じに表現してもらいましたが(笑)、これだと思ったらこれ! みたいな感じにすぐなってしまうので、もっと柔軟さを持ちたいです。


工藤美桜、25歳を目前に直したいこと「3人以上だと、もう……」
工藤美桜 マウンテンドクター
――もう少しで25歳の誕生日(10/8)を迎えますが、工藤さんが考える“大人の女性”とは?

常にフラットでいる人、でしょうか。でも、全然まだその域には行けてないです。まず人見知りを治さないと。ついつい相手の気持ちを先回りして、ネガティブに考えてしまうんですよ。1対1だったり、向こうから話しかけてもらったりするとワーッといけるんですけど、3人以上だと、もう……。

――そこは変えていけるといいですね。

そうなんです。次は私がそういうタイプの人を救いたいです(笑)。

マイブームは『あつまれ どうぶつの森』

工藤美桜、25歳を目前に直したいこと「3人以上だと、もう……」
工藤美桜 マウンテンドクター
――お休みの日は主にどう過ごされているんですか。

実家です。仕事がないときはほぼ実家です。友だちから「今、美桜の家の近くにいるけど」って連絡もらっても「ごめん、今、実家にいる」って(笑)。親と仲が良いので、時間があればすぐ帰ってゴローンとしてます。
甘えてばっかりです。

――自宅では?

『あつまれ どうぶつの森』です。

――だいぶ前に流行りましたよね。

いまだにやってます。動物たちの別荘作りにハマっていて。動物たちからのリクエストを一人づつ聞いて、この人だなって思った人の別荘を作ってます。

――そのほかのエンタメ系では?

仕事の勉強と重なるんですけど、洋画を見るのが好きです。『ミッドナイト・イン・パリ』は何回も見ますね。ファンタジー要素があって、そこにロマンスとか恋愛要素が入ったのがすごい好きです。癒されます。

無駄なカロリーこそ癒される

――ところで、工藤さんにとっての「秋」といえば……。

食です。
完全に食です。お魚も美味しいですし、銀杏、芋系も好きですし……ナシとかブドウとか何かしら食べてますね。炊き込みご飯も大好きです。

――でも、スタイルも全然スマートじゃないですか。

いや、最近ホントに……ダメです。体質的にあまり太らないタイプだったんですが、年齢を重ねるにつれて……二の腕に知らぬ間に肉がついて「わぁ、やばい!」みたいな。でも、秋に食事制限なんてそもそも無理なんですよ!

――ですよね。

無駄なカロリーこそ癒されるやん、って。でも、無理しない分、心の健康は保たれるじゃないですか。なので、食は我慢しません。だけどSNSでチェックが入ったら……頑張ります。

――ちなみに、工藤さんなりの健康や元気を保つ方法があればぜひ教えてください。

1日、最低でも10分は歩くとか。私、そういうとこけっこう自分に甘いので、1駅分歩くとか階段を使うとかだと無理しちゃうから、最低10分歩けばいいよ、と(笑)。やっぱり心が健康じゃないと動く気にもならないし、「やばいな」と思ったら頑張れるはず。あとは、いっぱい寝ること。

――確かに睡眠は大事ですね。忙しいと思いますが、工藤さんは眠れてますか?

はい。休みの日はたっぷり。マネージャーさんの電話で起きたりすることもよくあります……(笑)。

【工藤美桜】
’99年、東京都生まれ。主な出演作は『魔進戦隊キラメイジャー』『TOKYO MER~走る緊急救命室』『親愛なる僕へ殺意をこめて』『院内警察』『坂の上の赤い屋根』『赤羽骨子のボディガード』など。出演ドラマ『マウンテンドクター』はフジテレビ系にて毎週月曜よる10時~放送中。出演はほかに杉野遥亮、岡崎紗絵、宮澤エマ、檀れい、大森南朋

<撮影/中山雅文 取材・文/中村裕一 ヘアメイク/山田真歩 スタイリング/石川美久>

【中村裕一】
株式会社ラーニャ代表取締役。ドラマや映画の執筆を行うライター。Twitter⇒@Yuichitter
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