クリスマスや年末年始が近づき、何かと出費が多くなるシーズンになりました。賃金が上がらず、節約をせざるを得ない人も少なくないなか、ガストから驚く新メニューの提案が……。
それは、11月21日(木)から提供がはじまった、手頃にフレンチを味わえる『至福のフレンチコース』。価格はなんと、税込み1990円! しかも、 世界で最も多くミシュランの星を持つ巨匠ジョエル・ロブションのもとで修業後、ミシュランの星を獲得し続ける実力派シェフの監修メニューなんだそうで……。これは食べずにはいられないと思い、実食してみることにしました。
結論から申し上げれば、特大ホームラン。予想や期待をはるかに飛び越える、あまりにおいしくて誰かに伝えたくて仕方がなくなるほどのおいしさを味わえた、感動的な食体験になりました。それでは実際に、どのようなポイントが素晴らしかったのか、がっつり胃袋をつかまれた5つの理由をご紹介していきたいと思います。

ガスト“1990円”フレンチコースが「期待をはるかに飛び越え...の画像はこちら >>

コースは5皿、ミシュランスターシェフ監修

はじめに今回のコースの基本情報を確認しておきましょう。監修をしているのは、白金台のフレンチ「L’allium」の進藤佳明シェフ。「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」にて副料理長を務め、「ジョンティ アッシュ」でミシュラン一つ星を5年連続獲得した実力を持つ人物です。コースは、ライスかパンを選べる計5皿で構成されています。

【前菜】3種の前菜盛り合わせ
・サーモンマリネのグジェール
・アンディーブの柚子ビネグレッド和え
・帆立のバターソテー

【スープ】
・カリフラワースープ ~カリカリパンチェッタとクルトン添え~

【メイン+ライスもしくはパン】
・ビーフ100%ハンバーグ ペリグーソース ~ごぼうのチップをのせて~
・ 卵の赤ワインマリネ、クリーミーマッシュポテトと温野菜

【デザート】
・ブランマンジェプラリネ

それでは実食してみて、具体的な感動ポイントをレポートしていきたいと思います。

①ワインなどのアルコール類が高コスパ

ガスト“1990円”フレンチコースが「期待をはるかに飛び越えていた」5つの理由。ワインを飲んでも2人で「5000円前後」
グラスワイン(赤・白) 190~240円
コースの詳細に入る前に、真っ先に感激したのがワイン。ガストでは190~240円でイタリアワインがグラスで注文できます。提供されるのはイタリアのワイナリー「テッレ・ディ・サヴァ」のスペシャルワインで、口当たりが柔らかく芳醇な飲み心地が特長です。
コスパ最強のワインといえばサイゼリヤのイメージが強いものの、ネット上での反応を見ていくと、“ガストの方がおいしい”という声も上がるほど。

実はガストはちょい飲み需要にこたえるべく、アルコールやおつまみメニューの拡充にも力をいれています。フレンチでは頼みにくいレモンハイなどのサワー系も充実していて、頼みやすい環境になっています。

②箸でもおいしく味わえる

ガスト“1990円”フレンチコースが「期待をはるかに飛び越えていた」5つの理由。ワインを飲んでも2人で「5000円前後」
ナイフやフォーク使いが慣れていなくても、箸で食べやすく工夫されている
二つ目は、フレンチは緊張するという方に嬉しいポイントかもしれません。ナイフやフォークの使い方に自信がない人でも、箸とスプーンでおいしく食べられる料理になっているのです。

「そんな人いるの?」と疑問を抱く方もいるかもしれませんが、少しでも手軽にという視点で考えた場合、慣れている箸でフレンチのコースが楽しめたら敷居が低くなる人は絶対にいるはず。ガストにはこうでなければならない、というギスギスした雰囲気は一切漂っていません。

③卵の赤ワインマリネは、話題性たっぷりなごちそう感

ガスト“1990円”フレンチコースが「期待をはるかに飛び越えていた」5つの理由。ワインを飲んでも2人で「5000円前後」
ハンバーグの手前にある紫色のドーム状のものが、卵の赤ワインマリネ
今回のコースで最もワクワクしたのが、卵の赤ワインマリネ。食べたことのない人は多いことでしょう。ハンバーグに添えられた紫色のドーム状のビジュアルに好奇心を刺激され、普段の温泉玉子とはひと味違う華やかさと風味に大興奮してしまいました。

X上では、食べたことのない味でクセになりそう、面白かった、初めての味など、しっかり話題になる存在感。限られた予算のなかで、食べる人をワクワクさせてくれる進藤シェフのアイデア力に深く脱帽してしまいます。

④メインのハンバーグがしっかりウマい

ガスト“1990円”フレンチコースが「期待をはるかに飛び越えていた」5つの理由。ワインを飲んでも2人で「5000円前後」
メインは、食べ応えのあるビーフ100%ハンバーグ。トリュフの香りがポイントのペリグーソースがたっぷり添えられている
コースの満足度をしっかり高めてくれたのは、メインのハンバーグでした。ハンバーグはビーフ100%という本格感を保ちながら、ペリグーソースを合わせた目新しさが魅力です。

ペリグーソースとは、フランス料理のソースの1つで、赤ワインなどのワイン類をベースにトリュフを加えて作られるもの。
このソース、おいしさだけでなくたっぷり添えられているのが心をグッとつかまれるポイントでした。ライスにもよく合い、ソースをパンにつけて残さずいただきたくなるクセになる味わいです。

⑤2人で5000円前後という驚異のコスパ

ガスト“1990円”フレンチコースが「期待をはるかに飛び越えていた」5つの理由。ワインを飲んでも2人で「5000円前後」
ランチタイムにワインとドリンクバーをつけて、2人で5000円以内に収まりました
そして喜びの最高潮は、会計時に訪れました。ランチタイムにワインとドリンクバーをつけたところ、2人で4940円という価格でした。私がお邪魔した店舗はワインが240円だったので、190円の店舗だとさらに100円安くなる計算に。今の時代、このレベルの料理を5000円以内で楽しめるだなんて、本当に信じられません!

番外:お子様メニューもしっかり登場していた

ガスト“1990円”フレンチコースが「期待をはるかに飛び越えていた」5つの理由。ワインを飲んでも2人で「5000円前後」
子連れでも楽しめるよう、お子様用のプレートが登場
最後にもう一つ、嬉しいサプライズを感じたのが、お子様専用の「お子様 幸せフレンチプレート」が登場していること。小学生以下限定で990円という大人の半額での提供。ハンバーグはガストで大人気のチーズINハンバーグ(12種のチーズをブレンド)にオリジナルデミグラスソースがかかっていて、既成のお子様ランチにプレミアム感をまとったプレートにまとまっています。

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これまで様々なファミレスメニューを食べてまいりましたが、ここまで深く感銘を受けたのは久しぶり。あえて弱点を探すとすれば、魚派向けのメニューを次回期待したいところでしょうか。とにかく食べる価値大アリの傑作コースであることは間違いありません。

<TEXT/スギアカツキ>

【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。
世界中の健やかな食文化を追求。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。Twitterは@sugiakatsuki12。
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