今年も、あの季節がやってきました。ええ、株主総会ですね。
なぜ、背筋が伸びたのか?
それは、株主様の中でも熱量の高い方が参加され、貴重なご意見を多くいただいたからです。なんとかお答えできたような……。
今年こそ、昨年の経験を生かして納得していただける回答を出せるか、というのが社長としての手腕の見せどころですね。
新日本プロレスは、ブシロードグループの子会社でスポーツユニットという立ち位置になっています。
ブシロードのやっているキャラクタービジネスは、プロレスとの親和性が高く、新たな広がりが生まれるかもしれません。
しかし、やはり新日本プロレス自体の規模を大きくし、利益を伸ばしていきたい。そのための最も効果的な方法は、選手の知名度を上げることだと考えています。
僕は’00年代、試合後のマイクアピールでは「もっとクソ有名になります!」と、言い続けてきました。
「知っているプロレスラーが近くの体育館に来る!」。まず、ここがスタートだと考えたからです。
なかなか「知らない人を見に行こう」とはならないですよね。
プロレスやプロレスラーを知っていても、試合会場に足を運んでいただくまでには、幾つものハードルを越えていただかなければならないからです。仕事の調整。誰と行くか。会場までの距離。チケット代etc.
僕は「3年後理論」を提唱していますが、それぐらい【プロモーション→集客】に時差があるということです。本格的にプロモーションをやり始めたのが’06年、初めてIWGPのチャンピオンになって、翌年以降もコツコツと続け、’06年のプロモーションが’09年、’09年のプロモーションが’12年にというように少し遅れて手応えが感じられます。
こう考えると、プロレス会場に人が集まるというのは、すごい確率の奇跡的な出来事なんじゃないかと思えます。ああ、なんか素敵。
感謝! 感謝! 感謝の気持ちが止まりませんね。
「ありがとう」の気持ちを闘魂に上乗せして、これからも新日本プロレスは走っていきます。
と、株主総会の前にこの原稿を書いていたら、「棚橋社長、集中してください」と言われたのは、SPA!だけの秘密にしてください(泣)。
今週のオレ社訓 ~This Week’s LESSON~
試合会場に足を運んでもらえる、奇跡に繫がる活動を継続的に<文/棚橋弘至 写真/©新日本プロレス>
―[新日本プロレス社長・棚橋弘至のビジネス奮闘記~トップロープより愛をこめて]―
【棚橋弘至】
1976年生まれ。新日本プロレスの第11代社長(’23年12月就任)であり現役プロレスラー。キャッチコピーは「100年に一人の逸材」。得意技は「ハイフライフロー」。身長181㎝ 体重101㎏
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