安倍晋三首相(65)=自民党総裁=の後継を決める総裁選で、最有力候補の菅義偉官房長官(71)の生まれ故郷の自民党秋田県連は4日、県議26人による常任総務会を開き、党員・党友による予備選を実施せず、同県の全3票を菅氏に投じる方針を決めた。またこの日、総裁選挙管理委員会は8日の告示以降、街頭演説を実施しないとした。立候補を表明している菅氏と岸田文雄政調会長(63)、石破茂元幹事長(63)はそれぞれ、支持拡大の動きを続けた。
党員・党友投票が実施されないことを受けて各地で独自の予備選を行う動きが広がる中、菅氏の故郷は予備選なしで“地元の星”を支援することを決めた。この日の常任総務会で、各都道府県に割り振られている全3票を、すべて菅氏に投じる方針を確認。国会議員や地域代表ら約100人が出席する12日の総務会で最終決定する。
鶴田有司県連副会長は記者団に「通常の総裁選であれば、党員投票を実施するべきだろう。ただ、今回は県出身者が初めて総裁になれるかもしれず、夢が実現しそうだという思いの強さが上回った」と秋田県初の総理・総裁誕生を期待した。鶴田氏によると、4日の会合では一部から予備選実施を求める声も出たが、大半は総務会での決定を支持。菅氏に3票を投じる方針について異論はなく、支部ごとに意見集約をした上で、12日の全会一致を目指す。
党員・党友投票を実施しないことを巡り、党は党員の意向確認を奨励するとしているが、方法は各都道府県連の裁量に任せられている。この日、対応方針が全て決定し、44都府県で予備選を実施することが明らかになった。予備選を行わないのは、秋田県の他には北海道と新潟県。北海道連は全党員の投票が時間的に困難として、これに準じる形の意向調査を模索する。一方、新潟県連は党員アンケートの実施を予定している。二階俊博幹事長の選挙区がある和歌山県は予備選を行わないとしていたが、この日の役員会で反対意見が多かったことから、一転して実施することになった。
また、選挙管理委員会は新型コロナウイルス対策や選挙期間が短い事情などを考慮し、候補者の街頭演説を実施しないとした。事実上の次期首相を決める総裁選で全国遊説を行わないという、異例の対応となる。
選管委員長の野田毅元自治相は「実施できれば一番いいが、日程的に大変厳しい。何より『3密』をどうするかがある」と説明。党本部での討論会では入場者数を制限する一方でインターネット中継対応を拡充するなど、感染症対策に万全を期す考えを強調した。