東宝は15日、俳優の吉沢亮が主演する映画「国宝」(李相日監督、6月6日公開)が第78回カンヌ国際映画祭(5月13~24日)の監督週間部門に選出されたと発表した。公式上映も決定した。

 歌舞伎の世界を描いた吉田修一氏の同名小説を映画化。任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げる主人公・喜久雄(吉沢)の50年を描いた壮大な一代記。吉沢をはじめ、横浜流星、渡辺謙、高畑充希、寺島しのぶら豪華キャストの出演でも注目されている。

 李監督の作品がカンヌ映画祭に出品されるのは初めて。李監督は「人生を懸けて臨む。その言葉通り、一年半もの間を稽古に費やした吉沢君を筆頭に、演者たちの覚悟なしには語れない作品です。同様に、スタッフの果てしない献身、そして信頼に感謝が尽きません。カンヌという形で報いられる喜びを噛み締めています。華麗であり、壮絶である歌舞伎俳優の生き様をお披露目する場として、これ以上ない大舞台です」と喜んでいる。

 カンヌ映画祭の監督週間は、自由な発想や新しい表現で作家性を持つ監督の作品が選出され、過去にはケン・ローチ、ジム・ジャームッシュ、スパイク・リー、ソフィア・コッポラ、アトム・エゴヤン、グザヴィエ・ドラン、日本からは大島渚監督、北野武監督、黒沢清監督などの作品が上映されている。

編集部おすすめ