◆プロボクシング ▽IBF世界フェザー級(57.1キロ以下)タイトルマッチ 王者アンジェロ・レオー同級1位 亀田和毅(24日、インテックス大阪)
元世界2階級制覇王者でIBF世界フェザー級1位の亀田和毅(ともき)=TMK=が13日、所属ジムで練習を公開した。プロ18年目の33歳は、「野球より多い」亀田家としては異例の大所帯10人体制のチームを組み、通算47戦目を迎える肉体に万全のケアを施して、18年11月以来約6年半ぶりの世界戦白星を誓った。
背番号3を背負った和毅は自信に包まれていた。練習のミット打ちで快音を響かせ、強化したパンチ力を報道陣に披露。兄・興毅氏と並ぶ世界3階級制覇へ、「自信はある。ベストコンディションでリングに上がって、最高のパフォーマンスを見せてお客さんに楽しかったと思ってもらえたら」と静かに闘志を燃やした。
“10人チーム”が和毅を支える。細胞の活性化を促進する再生医療の一つ「幹細胞治療」を取り入れるなど、プロ46戦の33歳が重要視するのは体のメンテナンスだ。セコンドは父・史郎氏(59)を含めたトレーナー3人が務め、フィジカル1人、栄養1人、体のケアを5人と大舞台に向け、10人が徹底サポート中。「練習前、後のケア、コンディショニング、寝る前のストレッチの先生がいる」とケアを細分化し、一日5時間のストレッチも欠かさず、5年10か月ぶりの世界戦へ万全を尽くす。
この日、和毅とともに取材を受けた興毅氏は「全部で10人は野球チームより多いやん」と苦笑い。和毅の自信はチームメートの支援によるものだ。今回の試合に向けて作ったチームTシャツは、野球のユニホームをイメージ。
王者レオ対策でスタミナも磨いてきた。1階級上のスーパーフェザー級の選手を招いてスパーリング。「挑戦できるのはうれしい。自分の実力をはかれる。どれくらいできるのか楽しみ。ワクワク感がある」と和毅は少年のように笑った。6年の時間をかけてチャンスをつかんだ“亀”が、“ライオン”からベルトを奪い取る。(森脇 瑠香)
◆亀田 和毅(かめだ・ともき)1991年7月12日、大阪市西成区生まれ。33歳。2008年デビュー。
〇…王者・レオがまさかの“サプライズ来日”していたことが13日、判明した。和毅との防衛戦へ向け、当初は関西国際空港に14日に来日予定だったが8日に既に入国。興毅氏は「なんで来てるん?ってなった」と目を丸くした。ただ、来日を急きょ前倒ししたため、練習場所は定まらず、転々としているという。興毅氏は「(米国から)ちょっとでも早く日本に入って、時差に慣れようとしているのかな」と気遣った。