◆日本生命セ・パ交流戦 2025 オリックス2×―1巨人=延長11回=(14日・京セラドーム大阪)

 今季の巨人はせっかく素晴らしい投手力を持ちながら、もったいない守りのミスが多すぎる。5回の失点は右翼・キャベッジの失策が絡んだ。

チーム失策数はリーグ最多の37。岡本が不在の得点力不足よりもむしろ、守備力の改善なくして、上位進出はない。中川のサヨナラ押し出し四球もミスの一つだ。

 もちろん、野球にエラーはつきもの。3割打者も7割は失敗するのだ。大事なのはミスをミスで終わらせず、成長の糧にすること。失策数の多さもレギュラーを固定できず、選手の経験不足からのものが多い。阿部監督は打てなくても、守れなくても我慢の起用を続けている。交流戦前に話す機会があり、勝率5割をキープしていればシーズン後半に勝負できる、と言っていた。秋の優勝争いに向けて「戦力底上げ」という形で結びつけば「我慢」が意味を持つ。

 8回に同点打を放った泉口のように、チャンスをもらって一皮むけてきた選手もいる。それに続く選手が1人でも2人でも現れれば、全く違うチームに生まれ変わる可能性がある。

(スポーツ報知評論家・掛布 雅之)

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