◆第107回全国高校野球選手権 徳島大会 ▽1回戦 城東7―0穴吹=8回コールド=(16日、むつみスタジアム)

 わずか13人で戦った夏が初戦で終わった。穴吹のプロ注目・滝上春斗投手(3年)は「もう、最高の仲間たちと一緒に野球ができないと思うとさみしい」と涙があふれた。

 3回までは無安打無失点で6三振を奪う好投を見せたが、5回途中に左脚をつってからリズムが崩れた。7回1死満塁、押し出し四球で4点目を与えて一塁に回った。「ベストが出せなくて悔しい」と悔やんだが、石井大輝監督(32)は8回1死満塁で、最速144キロ左腕を再びマウンドへ送った。「彼がエースでやってきた。最後は抑えてもらいたかった」と思いを託した。最後の打者を11個目の三振で仕留め、計7回3安打5失点で終えた。

 母・翔子さんが「家に帰ってきても、気がつくと自主練習をしている」と感心する滝上は、プロ志望届を提出する意向を示した。巨人とソフトバンクが視察し、ソフトバンク・大本スカウトは「球のキレがあって、総合力が高い」と評価。04年アテネ五輪競泳女子800メートル自由形金メダルの柴田亜衣を輩出した県立校から、初のNPB選手が誕生するかもしれない。(藤田 芽生)

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