◆プロボクシング ▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者アントニオ・バルガス―同級2位・比嘉大吾(7月30日、横浜BUNTAI)

 元WBC世界フライ級王者のWBA世界バンタム級2位・比嘉大吾(29)=志成=が17日、東京・目黒区の所属ジムで同級王者アントニオ・バルガス(28)=米国=とのタイトルマッチへ向けた練習を公開。「倒して勝ちたい」とKOでの王座獲得を誓った。

 この日はシャドーボクシング2ラウンド、吉良大弥(22)=志成=との1ラウンドのスパーリングの後、野木丈司トレーナーを相手にミット打ちを行った。

 昨年9月3日にWBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)に挑戦し、0―3の判定負け。今年2月24日にはWBA同級王者・堤聖也(角海老宝石)に挑戦し、9回に両者がダウンを奪い合う激闘の末に引き分けた。今回が、異例の3戦連続での世界挑戦となり「大変光栄に思っております。しっかりいい感じで練習できています」と話した。

 世界戦発表会見では「3度目の正直という言葉がありますが、2度あることは3度ある、ということもある。どちらが正解なのか試してみようかと」と語っていたが、4度目については「間違いなくないと思っている」と、3度目の正直で決着をつける覚悟を示した。

 王者のバルガスは2016年リオ五輪に米国代表として出場したアマエリート。昨年2月のWBA挑戦者決定戦、同年12月のWBA暫定王座決定戦で、2試合ともダウンを奪われながら勝利している。

 過去2戦は、練習仲間でもある武居、高校時代からの親友の堤が相手だったが、2年ぶりの外国人との対戦となる。「友達でも思いっきり殴りはしたんですけど、(今回は)日本人とアメリカ人なんで、ちょっと言葉が通じない怖さがありますよね。やっぱ何考えてるのかなって分からないじゃないですか。

日本人だったら大体わかるんですけど、それが世界戦ってやつっすかね。違います?」と独特な表現で心境を語った。

 WBAのバンタム級は、正規王者・バルガス、休養王者・堤に加え、6月に暫定王座決定戦に勝利した暫定王者・ノニト・ドネア(42)=フィリピン=の3王者が君臨する。

 比嘉が勝利すれば、過去2戦2分けの堤、5階級制覇王者のドネアとの団体内統一戦も視野に入るが、「まあ、ドネアさんも友達になってくれたら2人ともやりたくないんですけど。堤もドネアもチャンピオンなんで、どこになるかはWBAの社長が決めることなんですかね。僕らは社員としてせっせと働きます」とひょうひょうと語り、「試合が終わったら2か月ぐらい休みたいです。休養王者はケガしないで、バカンスで取ったらだめなんですかね?」と比嘉節で笑わせた。

 戦績は、バルガスが19勝(11KO)1敗、比嘉が21勝(19KO)3敗2分け。

 興行はU―NEXTでライブ配信される。

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