夏コク最終週に大物新馬がデビューする。17日、週末の出走馬が確定した。

20日の小倉5Rの2歳新馬戦(芝1800メートル)には、名牝クロノジェネシスの初子となるベレシートが登場。母の主戦だった北村友一騎手(38)=栗東・フリー=と管理した斉藤崇史調教師(42)=栗東=という、今年の日本ダービーをクロワデュノールで制したまさに旬のタッグ。来春のクラシックを意識させるエピファネイア産駒の牡馬が初陣を飾る。

 偉大な母の背中を追う旅路が始まる。20年の春秋グランプリ連覇などG14勝を挙げた名牝クロノジェネシスの初子になるベレシート(牡)が20日の小倉5R(芝1800メートル)でベールを脱ぐ。母と同じ斉藤崇厩舎が手がけ、鞍上は母の主戦でもあった北村友。今年のダービーをクロワデュノールで制した強力ラインだ。

 芦毛の母とは違う黒鹿毛の馬体ながら、斉藤崇師は母の懐かしい記憶を重ね合わせる。「ハミの取り方とか、馬の雰囲気は似ていますよ。馬房でのしぐさなんかも似ていますね」。母の背中を知る北村友もゲート試験を受けた4月から積極的にコンタクト。口向きの難しさなど課題にも向き合いながら、丁寧な仕上げに携わった。

 「口が強いのは変わりませんが、その中でもバランスを取れるようになったと思いますし、持っているポテンシャルはすごく高いです」と北村友。1週前追い切りは栗東・CWコースで5ハロンこそ71秒7と遅かったが、ラスト1ハロンは11秒0とシャープな伸び脚でまとめた。「馬の後ろでジッとすることは随分と覚えてきました」とトレーナーは成長を感じ取る。

 父は数々のG1馬を送り出しているエピファネイア。斉藤崇師は「勝ちたいですね」と来春へつながるデビューVを期待する。ベレシートとはヘブライ語で「創世記」。母名のジェネシスも英語で「創世記」を意味する。時期こそ違うが、夏コク最終週デビューも同じ。さまざまな思いを乗せ、大きな一歩を踏み出す。(山本 武志)

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