来年1月2、3日の第102回箱根駅伝から、予選会(10月18日、東京・立川市など)で敗退したチームの選手で編成される「関東学生連合」チームの選考方法が変更される。落選校の上位10校(予選会11~20位)の「チーム枠」各1人と予選会21位以下のチームから「個人枠」6人の計16人が登録される。

また、これまで1回限りだった出場が2回まで認められる。今秋の予選会に出場する大学の関係者からは、肯定的な声が相次いでいる。

 箱根駅伝を主催する関東学生陸上競技連盟(関東学連)は6月19日、第102回大会から「関東学生連合」の選考方法変更を発表した。変更点は2つ。〈1〉予選会落選校の中でハーフマラソン個人順位の上位16人→予選会落選校上位10校の「チーム枠」各校1人と予選会21位以下のチームから「個人枠」6人〈2〉出走上限1回→同2回。多くの加盟校の意見を聞き、箱根駅伝対策委員会の原晋委員長(58)=青学大監督=を中心に熟議されたため、予選校の間ではおおむね好評だ。

 〈1〉のチーム枠の選考は各校に委ねられる。昨年予選会で23位の芝浦工大を今季から率いる徳本一善監督(46)は「一番の目標は10位通過ですが、現実的な目標は15位。連合の選考方法はとてもいい。(選手登録の)12月10日にチームで一番、強い選手を送り込みます。箱根駅伝を走れる可能性がある1枠を12月まで競うので、結果的にチーム強化につながる」と話す。

 前回予選会17位の麗沢大・池谷寛之監督(50)、同20位の武蔵野学院大・坂田和監督(46)も同様に「予選会10位以内を狙うことが大前提」とした上でチーム枠の導入を歓迎。

坂田監督は「昨年まで予選会チームトップの選手だけ別の強化メニューでしたが、今年からチーム全体で同じ強化ができます」と、その理由を説明した。

 駿河台大監督時に連合チームのコーチを務めた経験を持つ徳本監督は、連合全体の強化につながることを力説。「昨年までは予選会後に故障した選手が登録されることもありましたが、今回からチーム枠の10人は全員調子がいいはずなので、成績は向上するでしょう」と予測した。

 〈2〉の上限回数が2回までに増えることも連合のレベルアップに直結する。所属チームの予選会敗退が前提だが、今年1月の箱根8区区間7位相当と健闘した東大・秋吉拓真(4年)や前回予選会で1秒差の次点に泣いた東農大が今年も落選した場合、1万メートル日本人学生歴代最高27分21秒52の自己記録を持つ前田和摩(3年)も連合入りの資格を持つ。池谷監督は「今までより強い選手が集まることで、登録16人から出場10人の選考が重要になります」と語る。

 外国人留学生選手は選考対象外、オープン参加などに変更はない。正式順位としては残らないが、記録よりも記憶に残る激走を期す。新・関東学生連合が躍動する可能性は確実に高まった。(竹内 達朗)

 ◆関東学生連合 予選会敗退校選手で編成される。2003~13年に編成された「関東学連選抜」(04年は日本学連選抜)が前身。当時は1校2人以内。

出場回数の制限はなく、松蔭大の梶原有高は4年連続で出場した。07~13年は順位が認められており、最高成績は08年の4位。当時、チームを率いたのは青学大の原監督だった。15年から「関東学生連合」に。チーム、個人とも順位がつかないオープン参加。タスキの色は白。学習院大初の箱根ランナーの川内優輝、パリ五輪と東京世界陸上マラソン代表の小山直城らを輩出した。

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