◆大相撲 名古屋場所5日目(17日、IGアリーナ)

 西前頭16枚目・御嶽海が東同15枚目・琴勝峰を押し出して、無傷の5連勝とした。関脇・霧島、平幕・玉鷲が敗れ、全勝は早くも西前頭8枚目・一山本と2人のみ。

18年に旧会場のドルフィンズアリーナで初の賜杯を抱いた元大関が、新旧会場での名古屋場所制覇へ突き進む。

 元大関の馬力が戻ってきた。御嶽海は立ち合いで琴勝峰を起こすともろ差しになった。回り込まれたが相手を逃さず、最後は押し出した。「しっかり踏み込んで反応できた」と、同じ平幕の一山本とともに無傷の5連勝。「うれしい。ほっとしている」とかみしめた。

 名古屋場所の新旧会場での優勝を狙う。3日目に昨年夏場所以来の初日から3連勝を決めた際には連勝の味を「忘れちゃったよ」と苦笑いしていたが、エンジンがかかってきた。昨年まで使用されたドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で優勝経験があるのは18年の御嶽海と23年の豊昇龍のみ(ともに当時は関脇)。豊昇龍が休場し、チャンスがあるのは御嶽海だけだ。

 元大関も先場所は15年秋場所以来となる十両だった。

対戦経験のない相手が多く、苦戦。8勝7敗でなんとか勝ち越して幕内復帰。「十両の経験は全部がプラスになっている」という。場所前は初心に返り、地道に稽古を重ね、32歳が復活への道を歩んでいる。

 優勝回数は、現役では大の里の4度に次いで2位の3度。「まだまだこれから。残り10日あるので引き締める」。昨年夏場所も初日から5連勝したが終わってみれば8勝7敗と、おごる様子はない。八角理事長(元横綱・北勝海)も「御嶽海は勝って乗っていくと力を出すタイプ」と期待する。6日目は正代と対戦。元大関対決を制してさらに勢いをつける。(山田 豊)

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