◆大相撲 名古屋場所5日目(17日、IGアリーナ)

 横綱になって2場所目の途中休場。豊昇龍は綱の重さを感じているに違いない。

横綱は勝っても負けても番付が変わらない。しかし、大関のように落ちる場所がないのも事実だ。名横綱の栃錦さんが横綱になった時、師匠の春日野親方(元横綱・栃木山)から「引き際だけは考えておけ」と言われたという。横綱というのは引退と背中合わせなのを忘れてはいけない。

 ケガをしない体を作る必要がある。白鵬さんは基礎運動と準備運動を繰り返して柔らかくて強い体を作った。けがをしない相撲も大事。大きな相撲はいらない。おもしろくない相撲。つまり、寄り切りや押し出し、突き出しという前に出る相撲が必要になる。豊昇龍は26歳。時間は残っている。

 一人横綱の大の里が見違える相撲で阿炎を圧倒した。私は懸賞金をもらった後の大きなため息を見逃さなかった。重圧があったのは確かといえる。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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