女優の遠野なぎこさんが死亡していたことが17日、捜査関係者への取材で分かった。45歳だった。
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遠野さんの最後の公の場は、4月28日に都内で行われた映画「渇愛」(若松あきら監督)の完成披露上映会だった。
同作は摂食障害に苦しむ少女の葛藤と再生を描き、現代の若者たちが直面する問題をテーマにした作品。遠野さんは特別ゲストとして招かれ、摂食障害に悩む自身の経験から「摂食障害と公言できない人が世界中にいっぱいいる。家族の理解も少なく、世間から甘えだと言われることもある」と、来場者に向けて涙ながらにメッセージを届けた。
容姿で人を判断する「ルッキズム」が原因の一つとされる。「誤ったやせ方で摂食障害の罠にかかってしまう若い方をひとりでも救えたら。痩せているからという理由で、芸能人に憧れることは絶対にしてほしくない」と訴えつつ、「もしかしたら私は、最期の時まで摂食障害かもしれない。だけど、死ぬまで闘いたい」と強い決意を語っていた。