◆JERA セ・リーグ ヤクルト3―2巨人(17日・神宮)

 バントの差で勝ち負けが決まってしまったと言わざるを得ない。2回に西舘が、3回は泉口が2人の走者を送れず、7回は佐々木が失敗後に併殺。

一方のヤクルトは8回に古賀が大勢の速い球をきっちりと送った後に、決勝点となる内野安打が出た。

 バントは決めて当たり前と思われがちだが、簡単ではない。それでも、岡本を欠き、ホームランがポンポンと出るような状況ではなく、得点力が低い今は、間違いなく必要な戦術だ。3回にバント失敗後に泉口を交代させたのは、第1打席の見逃し三振の内容も悪かったことと併せての判断だったと思うが、バントで送れないようなミスが出ると、試合の流れを大きく変えてしまう。

 そしてミスが続くと、悪い連鎖反応を起こしてしまい、次の場面で、さらにプレッシャーがのしかかってしまう。

 失敗した選手が一番、悔しい思いをしているだろうが、今後、ペナントの最終盤を迎えたり、ポストシーズンの試合では、さらに重圧がかかる場面が出てくる。まずは最初に、同様のシチュエーションを迎えた時に成功させて、負の連鎖を断ち切ることが大切だ。(野球評論家・清水 隆行)

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