巨人は19日から9ゲーム差で追う首位・阪神と本拠・東京Dで球宴前最後の3連戦に臨む。17日のヤクルト戦(神宮)で送りバント失敗によって懲罰交代となった泉口友汰内野手(26)は18日、G球場で佐々木俊輔外野手(25)とともに、休養日では極めて異例のバント特訓を敢行した。
首位・阪神戦を翌日に控え、G球場に異例の光景が広がった。泉口が同期入団の佐々木とともに休養日ながら室内練習場で約30分のバント特訓。二岡ヘッド兼打撃チーフコーチから投じられる球を丁寧に転がした。泉口は「明日以降、しっかり戦力として見てもらえるように頑張ります」と強い思いを言葉に変えた。
17日のヤクルト戦では初回2死一、二塁の先制機で3球三振に倒れ、3回無死一、二塁では3球ファウルでスリーバント失敗。阿部監督が「今日は戦力にならないなと思って」と直後の守備から交代させた。佐々木も同じくバント失敗でチームも痛恨の逆転負け。二岡コーチは「自分が現役だったら、モヤモヤして一日を過ごすなら今日は練習した方がいいという気持ちもあった」と2人の心を推し量り、練習を提案した。
交代直後は「泣いてないですよ」と悔しそうな表情で戦況を見つめた泉口は「僕が試合の流れを悪くしてしまった。本当に反省しました」と振り返った。
9差で追う阪神には今季ここまで4勝11敗で、1度2勝1敗で勝ち越しただけ。全5カードで初戦黒星スタートだが、今回だけは負けるわけにはいかない。19日に敗れると自力優勝の可能性が消滅。とにかく得点を奪うべく、やるべきことを徹底するしかない。
細かいプレーの成否は勝敗に直結する。4勝7敗1分けの今月は11試合が1点差以内。さらに19日は山崎と相手先発・村上の投手戦が予想されるだけに、バントや進塁打など小技は確実に成功させたい。この日は泉口や佐々木の他に、中山や増田陸らもG球場で自主的にバットを振り込んだ。阿部監督が「タイガース戦もあるし、頑張りたい」と明確に意識してきた前半最後の3連戦。
◆G今季の阪神戦 今季初対戦となった4月4日からの3連戦(東京D)では初戦で戸郷が打ち込まれて敗れると、流れを止められずに3連敗。甲子園での同25日からの3連戦最終戦、岸田の決勝打で今季初勝利を挙げた。5月20日からの甲子園3連戦では3年ぶりに甲子園で連勝。7月1日からの3連戦(甲子園)では、2日の同戦で阿部監督が禁止されているリプレー検証結果に対する抗議を行い退場処分を受け、試合にも敗れた。