第107回全国高校野球選手権南北海道大会の準決勝が19日、エスコンフィールド北海道で開催される。準決勝進出の4校は18日、同球場で公式練習を行った。
駒大苫小牧・渡辺がメモリアルな1日に夢をかなえる。初めてプレーするエスコンでの練習を終え、「札幌ドーム(プレド)の人工芝とは全然違って、いつものグラウンドの土と変わらない印象。プロの球場でプレーできることは驚きみたいな感じで楽しかった」と充実の汗を拭った。
名門・旭川大雪ボーイズの出身。レギュラーの半数以上が地元の強豪である旭川志峯に進学したが、渡辺は「北北海道で安定を取るより南北海道で挑戦したかった」と親元を離れて苫小牧へ。激しい競争を勝ち抜いて1年秋に初めてベンチ入りを果たした。
佐々木孝介監督(38)が「日頃の姿勢が物足りなかった」と言うように1年秋以降2ケタ番号が続いたが、最後の夏についに「5」をつかみ取った。登録20人中13人が1、2年生の若いチーム。1ケタ番号を与えた指揮官の「試合に出る数少ない3年生として頑張ってもらいたい」という思いに応え、今夏は5試合で5割2分6厘の高打率をマーク。日本選手権、そして中学硬式野球最高峰の大会であるジャイアンツカップに9年ぶり出場を決めた後輩の活躍にも「負けてられない」と刺激を受け、全試合フル出場を続けている。
同校が夏の甲子園に最後に出場した2007年の7月20日生まれ。組み合わせを見て決勝が20日に行われることを知った際には「運命的。すごいと思った」。これまでの野球人生で誕生日に公式戦を戦った経験はないが、「あまり意識しすぎず、今までと同じようにプレーするだけ」。まずは17歳最後の試合で、2―7で敗れた23年準決勝のリベンジを果たし、その後に18歳初戦となる大一番に臨む。(島山 知房)
〇…北海は、ろっ骨の疲労骨折で地区予選ではベンチを外れた松田収司投手(3年)が、復活に自信を見せた。南北海道大会からベンチ入りしているが、ここまで登板はなし。「もう痛みはないので、いつでもいけます。もう一回投げて、チームに貢献したい」と意気込んだ。昨春のセンバツでは大阪桐蔭を相手に先発し、3回途中4失点。「やり切れなかったなという感じがあるので、もう一回甲子園に行って投げたい」と力を込めた。