日本人選手として初めて米国野球殿堂入りを果たすイチロー氏が、18日(日本時間19日)オンライン会見に応じて、27日(同28日)にニューヨーク州クーパーズタウンで開催される式典を前に心境を語った。式典でのスピーチよりも、当面の関心は、来月31日にバンテリンドームで開催される高校野球女子選抜VS「イチロー選抜KOBE CHIBEN」のエキシビションマッチと語り、現地でも練習を継続する意気込みを語った。

イチロー氏は、殿堂入り資格を得た初年度の投票で、満票にはわずか1票届かなかったものの、シーズン262安打の大リーグ記録を樹立した偉業、功績が認められ、アジア人で初めて殿堂入りを果たした。

 クーパーズタウンへの荷造りに、スピーチのメモと、野球道具一式。それが、生きるレジェンド、イチローさんのスタイルだ。週末3日間に渡り、クーパーズタウンで開催される殿堂入りセレモニーに参加する。スピーチの準備を進める一方、イチロー氏は、来月末の試合への準備の方がより重要事項だった。

 「楽しみにしてるんですけど、もちろん緊張もします。僕は基本的に人前で話すときは、とても緊張するタイプなので、間違いなく緊張するんですけど」と言った後「それよりもですね、来月の31日に、日本で女子の選抜チームとの試合が決定しているので、体作りが思うように進んでないことを心配しています」と続けた。

 51歳になった今も、会長付き特別補佐兼インストラクターの肩書を持ち、ユニフォームを着て、走攻守、練習に参加する。

 「実際に走ったり、投げたり、守ったり、時には打ったりもするんですけど、彼ら(選手)とはもう親と子ぐらい年齢的に違うんです。50歳ですけど、僕がまだこれぐらい動けるといういうのを見せるだけでも、彼らのモチベーションになるんじゃないかという期待はあります」と、引退後も実技に信念を持ち、選手育成に寄与してきた。2021年から始まった女子野球との親善試合も、実際にプレーすることにこだわって継続してきた。約6週間後に迫った真剣勝負への準備は、大陸横断の往復となる週末も、当然のように、継続される。

 「なんとか場所と時間を確保するように今トライしてます。ゴルフの予定があるんですけど、それはキャンセルして、野球の練習をする予定です」

 親睦ゴルフは不参加の意向。それより、現地での練習が最優先だ。殿堂博物館の隣には、かの有名なダブルディ・フィールドがある。1839年に米国陸軍ダブルディ将軍が米国で初めて野球を行ったという逸話に基づいて、クーパーズタウンに野球殿堂博物館が設置された。7月最後の週末。クーパーズタウンで鋭い打球音が聞こえたら、イチロー氏が汗を流しているかもしれない。

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