◆バドミントン ▽ジャパン・オープン 第5日(19日、東京体育館)
女子ダブルス準決勝が行われ、パリ五輪銅メダルの志田千陽、松山奈未組(再春館製薬所)が世界ランク3位のマレーシアペアに0―2で敗れた。パリ五輪では3位決定戦で2―0と完勝していた相手だったが、速いスマッシュを次々と決められ、決勝進出はならなかった。
8月の世界選手権(パリ)でペア解消。今大会が国内ラストマッチだったが、優勝はならず。ジャパン・オープンでは初の4強に進出。準々決勝後に志田はうれし涙を流した。松山は「やっとここまで来られたので、自分たちのプレーをできるのが一番」と話していたが、日本のファンの前で頂点に立つことはできなかった。残す大会は次週の中国オープンと世界選手権。今大会の雪辱を果たす。
第1ゲームは序盤から大接戦に。だが、4―3から相手のスマッシュが決まり一挙8連続得点とされた。松山が連続得点で6―11とした。持ち味の速いラリーを展開したが、手足の長い相手から繰り出されるスマッシュを効果的に決められた。10―17からは1分ほどの長いラリーを続けたが、逆をつかれて失点。
後がなくなった第2ゲーム。序盤から相手の勢いに押されいきなり0―5に。2―7から後衛の松山が鋭い1本を決めると会場からは大歓声が起きた。4―9からは松山が逆をつかれたが、走り込み志田が決めた。日本のファンも徐々に拍手や歓声が大きくなり、シダマツを後押し。松山がジャンピングスマッシュを決めるなど9―15とした。流れを引き寄せたかったが、相手の緩急ある攻撃に翻弄(ほんろう)された。ミスも重なり、最後は11―21と完敗した。
シダマツは今月8日、世界選手権でのペア解消を発表した。24年パリ五輪を最大の目標に走り続けてきたが、準決勝で中国ペアに敗れたが、3位決定戦を制して銅メダル。そこが分岐点となった。
◆志田 千陽(しだ・ちはる)1997年4月29日、秋田・八郎潟町出身。28歳。小1で競技を始め、青森山田中、高で女子複日本一を経験。16年に再春館製薬所入り。女子シングルスで五輪3大会連続出場の山口茜(28)は同期。特技はバレエ。趣味は乃木坂46のライブ観戦と曲を聴くこと。
◆松山 奈未(まつやま・なみ)1998年6月28日、福岡・北九州市出身。27歳。福岡・九州国際大付中、高出身。高校3年時の16年に保原彩夏と組んで世界ジュニア選手権優勝。17年、再春館製薬所入り。趣味はあまりないというが、拠点の熊本で大人気漫画「ワンピース」の銅像巡り。登場人物の「ナミ」と同名の松山も同作のファン。