◆第107回全国高校野球選手権栃木大会 ▽3回戦 幸福の科学学園10X―6小山西=延長11回タイブレーク=(19日・エイジェックスタジアム)

 幸福の科学学園が小山西との激戦を制し、準々決勝に進出した。中日などで活躍したドミンゴ・グスマンさんの息子、エミール セラーノ・プレンサ(3年)が衝撃の打撃を披露した。

 幸福の科学学園が1点ビハインドで迎えた9回1死。エミールに打席が回ると、高めに浮いた変化球を豪快に振り抜いた。「狙ってました」という主砲の打球は高い放物線を描き、左翼スタンドへ。土壇場で同点に追いついた。

 これだけでは終わらなかった。1点を失い、迎えた11回。同点に追いつきなおも1死満塁のチャンスで、再びエミールが打席を迎えた。1ストライク2ボールからの3球目。高めに浮いたカーブをとらえると、強烈な打球が左翼スタンドへ。エミールは打球がフェンスを越えるのを見届けると、ゆっくりと走り始めた。「人生で初めて」というサヨナラ満塁弾をかみしめるようにダイヤモンドを1周し、仲間に迎え入れられた。

 試合後、興奮冷めやまぬまま取材に応じると「めっちゃ気持ち良いです!1回も負けると思わなかったです」と笑顔を見せた。

本塁打は父・ドミンゴさんがいるドミニカ共和国まで届いたかと聞かれ「たぶん届いてる」と胸を張った。

 2回戦に勝利した時には、父から「おめでとう。次も頑張れ」と激励を受けた。その期待に2本の本塁打で応えたエミールは「もう一回ホームラン打つね」と伝えるという。

 これで夏の大会では初のベスト8進出となったが、「まだまだ。甲子園まで行きます。(甲子園で)校歌を歌いたいです」と見据えるは初の夢舞台。主砲がチームを頂点まで導く。(高澤 孝介)

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