レスリングの2012年ロンドン五輪女子48キロ級金メダリストの小原日登美さんが18日に死去したことが19日、分かった。44歳だった。
死因は明らかにされておらず、所属する自衛隊体育学校の広報は、スポーツ報知の取材に「ご遺族の心情等への配慮や亡くなられた隊員およびご遺族のプライバシーを保護する必要があるため、回答は差し控えさせていただきます」とコメントした。
小原さんは青森県八戸市出身。非五輪階級の51キロ級で世界選手権を6度制し、左膝のけがで02年1月、08年10月と2度、引退。その後、復帰を経て、48キロ級で2010年、11年の世界選手権で連覇。足かけ10年に及ぶ五輪挑戦の末、初出場した12年ロンドン五輪で金メダルに輝いた執念の人だった。うつ病、過食症、肉をそぐような減量苦とも闘った。
ロンドン五輪の決勝では、0―4の大量失点から大逆転勝ちし、この階級で日本初の金メダルをもたらした。失いかけては取り戻してきた競技人生を象徴するような戦いだった。
プライベートでは2010年に同じ自衛官である康司さんと結婚。2014年に第1子、2016年に第2子を出産した。引退後は2016年から自衛隊体育学校でコーチをしていた。
◆小原 日登美(おばら・ひとみ)旧姓・坂本。