◆第107回全国高校野球選手権埼玉大会 ▽4回戦 昌平5x-1花咲徳栄=延長10回タイブレーク=(19日・越谷市民)

 昨夏決勝の再戦となった強豪同士のカードは、延長10回タイブレークの末、昌平に軍配が上がった。1死満塁から3番の諏江武尊二塁手(3年)が左越えにグランドスラムのサヨナラ勝利。

背番号11の右腕・窪田竣介投手(3年)が延長10回を1失点完投勝ち。1つ1つアウトを積み重ねるたび、雄たけびを挙げて絶叫。チームに勢いをもたらした。

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 劇的な勝利に岩崎優一監督(32)は「選手たちがよく頑張った。僕は何もしていません」とナインをねぎらった。

 一昨年夏の準決勝、昨夏の決勝ともに敗れた宿敵とのリベンジマッチ。くしくも昨年同様、延長10回タイブレークで勝負は決した。

 「スタンドを見ていると、悔し涙を流したOBたちもたくさんいた。特別な思いがありました。去年、負けたときからここを見据えて練習をしてきた。ブレることなく、夏に勝てる力をつけようとやってきました」

 花咲徳栄対策にも心血を注いだ。「自宅では日常的に、ソファーに座れば録画を再生して…負けたビデオをすり切れるぐらい見てきました」。

ようやく笑えた。指揮官の熱き思いが結実した、3時間20分のリベンジ劇だった。(加藤 弘士)

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