◆第107回全国高校野球選手権大阪大会▽3回戦 鳳5―1富田林(19日・GOSANDO南港)

 3年生バッテリーに涙はなかった。富田林のエース・梅川璃恩(りおん・3年)は4回から登板し、3失点。

「カーブで三振を取ったのは取って欲しかった(笑)」と、顔を緩めた。同じく3年の松本泰知は3年春から捕手を務めた。1年夏に1人が退部してから、2人だけの現3年生部員だった。

 エースは物おじしない性格だ。昨年の11月に前監督とオフの日数などでもめ、野球から離れた。松本と毎日のように電話をした。今年1月、「やっぱり戻ってきて欲しい」という松本の言葉が響いた。右腕は歓迎の中、チームに復帰し「求められているのがうれしかった。この夏は全力で駆け抜けな」と、猛練習。最後の試合を終え、悔いはなかった。

 目指す大学も同じだという2人。梅川は「人間性はましになった。

優しくなった」と3年間を振り返りつつ、「勉強でも励まし合う」と、一生の仲間と新たなステージで再会すると誓った。

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