◆第107回全国高校野球選手権埼玉大会 ▽4回戦 聖望学園5―1浦和麗明(19日・レジデンシャルスタジアム大宮)

 浦和麗明の注目の右腕・吉川翔馬(3年)が今大会未登板のまま夏を終えた。

 4回に四球や安打で1点を先制するも、先発した山中琥太郎(3年)が7回2死から4連打を浴びて逆転負け。

登板のなかった右腕は仲間をたたえつつ「悔しい」と言葉を絞り出した。

 ロッテの左腕・吉川悠斗を兄に持ち、最速144キロ右腕として注目されてきたが、前年11月に右肩を故障。痛みはなくなったが、思い通りの投球ができなくなった。もどかしい思いを抱えながらも、ベンチでは仲間のプレーを鼓舞し、見守り続けた。「すばらしい仲間たちと3年間野球ができて、本当に良かった」。涙ながらに語る言葉に、3年間の思いの全てが詰まっていた。

 大学に進学し、野球を続ける予定。「兄の背中を、兄を超えられるよう常に努力していきたいです」。この夏の思いをバネにして、憧れの兄を追い続ける。(北村 優衣)

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