◆第107回全国高校野球選手権 静岡大会 ▽3回戦 清水東4―0島田樟誠(19日・ちゅ~るスタジアム清水)

 3回戦8試合が行われた。清水東がシードの島田樟誠を4―0で破り、20年ぶり16強入りを果たした。

サブマリンエース・疋田岳土(たけと、3年)が変幻自在の投球で4安打完封で3試合連続完投。

 スイスイと凡打の山を築いた。清水東のサブマリン・疋田が、シード校の島田樟誠を手玉に取った。108球、4安打で公式戦2度目の完封劇。「最後は3者三振を狙ってました」。最終回は、有言実行で試合を締めてガッツポーズで喜びを爆発させた。

 2点差で迎えた8回には一段と気合を入れた。味方の2つの失策で与えた2死一、二塁のピンチ。円陣を組んだマウンドではエラーをした仲間に「ふざけるなよ」と、ジョークで和ませた。本塁打が出れば、逆転される場面で相手の4番を遊ゴロに打ち取って無失点で切り抜けた。

 “バースデーイブ”を自ら祝った。「実は明日が誕生日なので、勝てて良かったです」。

20日に18歳を迎える背番号1が笑顔。母・佳代子さんの誕生日だった12日の2回戦・藤枝北戦には、1失点完投で勝利のプレゼントを届けた。

 今では珍しいアンダースロー。中学時代は主に捕手だったが、投手では中1の頃から下手投げだったという。「球速が遅いので、速く見せるように工夫している」。この日は110キロに届かない直球に80キロ台の変化球を織り交ぜて幻惑。捕手で養った打者の心理をずらす頭脳的な投球で今大会全3試合連続完投を飾った。

 1957年夏から3季連続甲子園出場を果たした古豪も、16強入りは20年ぶり。夏3勝は1999年以来、26年ぶりだ。次は、1972年以来、53年ぶり8強入りを目指して春4強のシード磐田南を破った藤枝明誠と対戦だ。「チームの目標はベスト8。どこが相手でも自分たちの野球をやるだけです」。

150キロを超える投手が台頭するここ最近の高校野球界で、最速118キロのサブマリンから目が離せない。(塩沢 武士)

  ★島田樟誠・日比藤吉郎主将(背番号1ながら初戦で右肩を痛め、この日は5番・左翼で出場)「ほかにいい投手がいるので任せた。勝てなくて悔しいです」

 〇…市立沼津はシード・浜名を4-3(延長10回タイブレーク)で撃破して2012年以来、13年ぶり16強。2回戦の三島南戦に続き、2試合連続タイブレークでサヨナラ勝ちだ。10回1死満塁に1番・小林然中堅手(2年)が三塁への内野安打で三塁走者・東悠真左翼手(2年)が生還。「ゴロを転がせば何かあると思った」と小林が人生初のサヨナラ打に笑顔。目標のベスト16に向けて1週間、チームで「人生を変えるぞ」と練習に臨んできた成果が結果で現れた。

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