◆第107回全国高校野球選手権 静岡大会 ▽3回戦 富士東4―0浜松湖北(19日・愛鷹球場)

 富士東はシードの浜松湖北に4―0で快勝し、11年ぶりの4回戦進出となった。

 最後の打者を右飛に仕留めると、富士東の右腕エース・清水琉偉(るい、3年)はマウンドで大きく両手を突き上げた。

シードの浜松湖北を4安打に抑え、「完封は練習試合を含めても初めて」と声を弾ませた。

 5回以降は、失策による走者1人を許しただけ。変化球を低めに集めて「打たせて取る、自分が理想とするピッチングができた」と喜んだ。唯一のピンチは連打を許した4回の1死二、三塁。冷静に初球のスクイズを狙ったバントを空振りさせて走者をアウトにし、無失点で切り抜けた。「清水に尽きます」と大沼克浩監督(58)も目を細めた。

 1984年夏に8強入りした実績もあるが、進学校のため近年は部員が少なく、19年秋は熱海、小山と合同チームを組んだ。だが中学時代に富士市選抜だった7人を含む、10人が23年に入部。着実に力をつけ、今春には83年以来42年ぶりに県大会まで駒を進めた。「自信になっています」と、主将の堤栄治捕手(3年)はうなずいた。

 11年ぶりに3回戦の壁を破ったが、「目指すところは8強です」と清水。堤も「シード校相手にもうひとつ勝ちたい」と浜松商戦を見据えた。

チーム一丸となって、41年ぶりの快挙を達成する。

(里見 祐司)

 〇…御殿場西は磐田西に10-1(7回コールド)。背番号10の池田悠人投手(3年)が公式戦初先発した。「昨日言われて、昨夜は眠れませんでした」と言うが、6回を6安打1失点(自責0)と好投した。入学時は内野手だったが、外野から捕手へコンバートを重ね、約1年前に投手に。当時の球速は130キロに満たなかったものの、今年6月には142キロを出した。この日も初回から139キロを連発。勝利に貢献して「投手は試合を大きく左右する存在。面白いです」と照れた。

 ☆御殿場西・名波瑛太主将(3回に先制の2点打。初戦の4打点に続き、この日は3打点)「浮いた球をしっかり捉えることができた」

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