◆プロボクシング▽フェザー級(57・1キロ以下)10回戦 〇アラン・ピカソ(判定2―0)亀田京之介●(19日=日本時間20日、米ラスベガス、MGMグランド・ガーデン・アリーナ)
【米ラスベガス19日=宮田有理子通信員】世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=が12月27日に予定している防衛戦の対戦相手候補に挙がっているWBC同級1位アラン・ピカソ(24)=メキシコ=が、WBC世界フェザー級23位・亀田京之介(26)=TMK=に2―0の判定勝ち。戦績を33戦32勝(17KO)1分けとし、世界初挑戦となる12月の井上戦へ前進した。
ジャッジは1者が95―95のドローとしたが、残る2者が97―93、98―92でピカソを支持。試合後、井上に挑戦するに値する力を見せたと思うか問われたピカソは「もちろんそう思う。難しい試合だったが、勝ち切ることができた。これでようやく自分の真価を証明する準備ができたと思う」と話した。
初めての日本人との対戦だった。京之介を「思ったより強かった。もう少しやりやすいと思ったが、彼は全力を出してきた。とても強く、どれだけ私がボディーを打っても前に出てきた」と評価し、「この機会はありがたかった。こういう相手との闘いは、次について考えるレッスンになった」と収穫を口にした。
井上とピカソは当初、今年5月に米ラスベガスのT―モバイル・アリーナで対戦することが内定していた。しかしピカソ陣営から対戦辞退の申し出かあり、井上の対戦相手がラモン・カルデナス(米国)に変更となった経緯がある。
「いきなり井上戦でなくてよかったのでは?」の問いには「ボクシングでも人生でも、学ぶべきレッスンがある。
サウジアラビアの政府直轄プロジェクト「リヤド・シーズン」を運営する総合娯楽庁トゥルキ・アラルシク長官は先月、12月27日にサウジアラビア・リヤドで井上がピカソと防衛戦を行う計画があると明かした。井上―ピカソ戦をメインイベントに据えた「日本対メキシコ対抗戦」の構想も浮上している。
井上は9月14日、名古屋でWBA同級暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(30)=ウズベキスタン=との防衛戦に臨む。ピカソは「(日本に)行くつもりです。じかに井上のパワーや前進を見ておきたいです」とアフマダリエフ戦を視察する予定であることを明かし、「井上戦へ何か秘密の武器があるわけではない。私は決して万能ではないが、学び、成長していくことを目指している。私にはロングレンジの武器があり、ボディーが打てる。ただこれらを生かすには、そのスキルをちゃんと井上に対して使えるかどうかにかかっている」とモンスター攻略を見据えた。
ピカソはメキシコ最難関のUNAM(メキシコ国立自治大)で脳神経学を学んでおり、12月に卒業予定。