◆米大リーグ ナショナルズ4―2パドレス(19日、米ワシントンDC=ナショナルズパーク)​

 パドレスのダルビッシュ有投手が19日(日本時間20日)、敵地でのナショナルズ戦に先発。5回を投げ、5安打3失点で今季2敗目を喫した。

2―2の同点で迎えた5回1死一、三塁からエイブラムズの二ゴロで勝ち越しを許すなど、1四球1奪三振。球数69球で降板。防御率は6・08となった。黒田博樹を抜き、日米通算歴代単独1位となる通算204勝は再びお預けとなったが、右肘炎症による負傷者リストから今月7日に復帰して3戦目で徐々にイニングを伸ばし、完全復活にまた前進した。

 雷雨の予報で予定より65分遅れで始まった今季3戦目。先頭打者エイブラムズの投ゴロに、38歳右腕は好反応。マウンドを駆け下り、素手で一塁送球。アウトにしたのを皮切りに、初回はわずか11球、3者凡退と上々の立ち上がりだった。2―2の同点で迎えた5回1死一、三塁から緩い当たりのゴロで勝ち越しを許す不運もあったが、復帰後最長の5回を投げ、シルト監督と握手。69球で降板した。

 「ちょっと今日はダメでしたね、自分の中では。体は動いてましたけど、あんまりパワーを感じられなかった。

まっすぐとか、大事な所で真ん中に行っていた。アウトを取れていても、ラッキーな部分がすごくあった。結果以上に僕としてはあんまりいい感じではなかった」

 登板後は、反省が先に口を突いた。強い打球が野手の正面に飛んだり、味方の好守に助けられたり。「一気に7、8失点してもおかしくない」と辛口だった。スイーパーやツーシームの軌道には不満を漏らしたが、逆に手応えを感じたのは、カーブや左打者への速いスライダーやスプリット。平均落差70インチ(約178センチ)の変化量を記録したカーブについては、「今日は手が離れる感覚が良かった」とうなずいた。

 シルト監督は「マウンドでの存在感だけでも大きい」とエースの復帰を喜ぶが、ダルビッシュ自身は「もう今に賭けてます。今日も100%行きたいと思って投げてますし。ゆっくりというふうには全く考えてないです」と語った。まだ万全ではないものの、最速95マイル(153キロ)の直球から、最遅69マイル(111キロ)のナックルカーブまで、8種類の球種を散りばめ、試合をつくり、内容には上昇の兆しがみえている。

 日米通算歴代1位の204勝となる今季初白星は、もう時間の問題だ。

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