◆プロボクシング ▽WBC世界ウエルター級(66・6キロ以下)タイトルマッチ12回戦 △王者マリオ・バリオス(判定)挑戦者マニー・パッキャオ△ (19日=日本時間20日、米ラスベガス、MGMグランドガーデン・アリーナ)
元世界6階級制覇王者のマニー・パッキャオ(46)=フィリピン=が、約4年ぶりの復帰戦でWBC世界ウエルター級王者マリオ・バリオス(30)=米国=に挑んだが引き分けに終わり、王座返り咲きはならなかった。ジャッジ1者が115―113でバリオスを支持、残り2者は114―114のドローだった。
46歳7か月のパッキャオが世界王座を獲得すれば、2014年4月にWBA・IBF世界ライトヘビー級王座統一戦でWBAスーパー王座を獲得したバーナード・ホプキンス(米国)の49歳3か月(126日)に次いで史上2位の年長記録だったが、惜しくも及ばなかった。
21年8月21日のWBA同級王座統一戦でヨルデニス・ウガス(キューバ)に判定負けして現役引退を表明して以来1428日ぶりの復帰戦となったパッキャオは、おなじみの入場曲「アイ・オブ・ザ・タイガー」でリングイン。「マニー」コールで包まれる中、1、2回はバリオスのジャブにも反応し、右ジャブ、左ストレートをヒットさせる上々のスタートを切った。しかし3回以降、プレスを強めるバリオスのジャブを被弾するシーンが目立つように。中盤は劣勢に立たされたが、8回終盤には連打をまとめて会場を沸かせた。9回以降もパッキャオは足が止めることなく、手数を出し続けた。
試合後、パッキャオは「勝ったと思った。接戦だった。バリオスは素晴らしいファイターだ」と第一声。「ワークハードしてきた。この試合で相手をやっつけて仕上げようと思ったができなかった。相手のディフェンスがよかった。
今後については「もちろん現役を続ける。もっときっちり練習して臨めばいい。今回は準備を始めるのが遅れた」と現役続行を宣言した。
パッキャオは19歳11か月でWBC世界フライ級王座を獲得。フライ級からスーパーウエルター級まで6階級制覇(海外メディアではリング誌王座を加えて8階級制覇とする場合が多い)を達成した。16年から22年までフィリピンの上院議員を務め大統領選にも出馬するなど政治活動を続ける一方、昨年7月には格闘技イベント「超RIZIN3」(さいたまスーパーアリーナ)で安保瑠輝也とエキシビションマッチを行った。今年6月には国際ボクシング殿堂入りも果たしている。
今年5月、WBCはパッキャオをいきなりウエルター級5位にランクインさせた。しかし6、7月発表ではランク外となった。
戦績はパッキャオが73戦62勝(39KO)8敗3分け、バリオスが33戦29勝(18KO)2敗2分け。