◆米大リーグ ドジャース7―8ブルワーズ(19日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が19日(日本時間20日)、本拠地・ブルワーズ戦に「1番・DH」でフル出場し、後半戦初アーチとなる33号2ランを放った。試合前時点でDバックスのスアレスが2発を放ちリーグトップを一時的に明け渡していたが、今季自己最長タイの448フィート(約137メートル)の特大弾を中堅左に運んで再びトップに並んだ。

4打席目に適時打も放つなど、チームは2連敗の中、存在感を見せた。

 特大弾に地元LAのファンがわき上がった。4点を追う3回無死一塁。大谷が中堅左のスタンド上段へ、今季自己最長タイの448フィート(約137メートル)の33号2ランを運んだ。リードを許した場面で表情を緩めることはほぼなかったが、後半戦6打席目での初安打初アーチが同12イニング目でチーム初得点となった。

 好調のバロメーターともいえる中堅から左翼へアーチ。4月16日の本拠地・ロッキーズ戦で放った448フィート弾は右翼へのアーチだった。引っ張った打球以外では今季最長の一発で、後半戦の爆発も予感させた。ロバーツ監督も「翔平は順調。チームの状況を理解し、自分の力でチームを押し上げようとしているように見える。全体的に見て非常にいい内容。集中力は増している」とたたえた。

 試合開始の約1時間前。他球場でDバックスのスアレスが2発。33号を放ち、本塁打ランキングで大谷を抜いてリーグ単独トップに立っていた。5月25日に18号を放ってトップに並んでからキングの座を守ってきた大谷だが、約2か月ぶりに“陥落”していた。

 後半戦初戦だった前日18日は4打数無安打。球宴以来3日ぶりの試合で感覚が戻らなかったのか、1、2打席目に立つ前にはベンチで味方投手を見つめながらバットも持たずに打撃フォームを入念に確認。必死に微調整を繰り返して約2時間で再びトップに並んだ。

 決して簡単な相手ではなかった。本塁打を放ったペラルタはこの試合で勝利投手になり、MLB単独トップとなる12勝目。好調の右腕だったが、初球の甘く入ったチェンジアップを逃さなかった。後半戦はここまで9打席で5打席が初球打ち。2番手左腕・アシュビーと対戦した2点を追う6回2死一、二塁でも初球を左前適時打で、20試合ぶり今季4度目の1試合3打点だ。

 しかし、チームは7月だけで同リーグのブルワーズに5戦5敗。「ルーズベルトゲーム」のスコア7―8で敗れ、後半戦2連敗スタートとなったが、地区ではまだ4・5ゲーム差の首位を守っている。この日は昨年亡くなった通算173勝の左腕・バレンズエラ氏のボブルヘッド人形が配られ、過去のワールドシリーズ制覇に貢献したレジェンドも試合前のセレモニーに多く参加。チャンピオントロフィーも並び、球団史上初の2連覇へ、期待も高まっている。残り63試合。その先頭に大谷が立っている。(安藤 宏太)

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