参院選は20日、投開票された。東京都選挙区から立候補していたアカペラグループ「RAG FAIR」の元メンバーで立憲民主党の現職・奥村政佳氏は当選ならなかった。

 激戦の東京選挙区で力及ばず、落選が確実となった選挙事務所では「いい候補者だったのに」「(奥村氏と同姓の奥村祥大らを擁する)国民民主の風の影響か」とため息が漏れた。奥村氏が姿を見せると、ねぎらいの拍手に包まれた。深々と頭を下げた同氏は、会場の一人ひとりに謝罪し握手を交わした。

 奥村氏は敗因について「結果が出なかったのは、私の力不足です。すみません」と無念さをにじませ、「前を向いて引き続き頑張って参ります」と話した。最後は10秒ほど頭を下げ、会場を後にした。

 奥村氏は2019年の参院選に出馬するために「RAG FAIR」を脱退。立憲民主党から比例で立候補していたが、当選ラインに届かず、次々点で落選した。その後、24年に須藤元気氏が衆院補選出馬に伴い失職し、次点の元モーニング娘。・市井紗耶香氏が即日辞職したことから奥村氏が繰り上げ当選。同年5月から参院議員を務めていた。

 高校時代の1995年に当時史上最年少で気象予報士に合格した奥村氏は、11年の「RAG FAIR」活動休止後に防災士、保育士の資格も取得。

横浜市内の保育所での勤務経験を持つ。その資格や経験を生かし、保育・子育てや防災・減災に関する政策を訴え、2期目に意欲を見せていた。

 東京選挙区は蓮舫氏の失職のため、非改選の欠員1の補欠選挙を同時に行う「合併選挙」として実施。当選枠が1つ増え「7」となっていたが、届かなかった。

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