参院選は20日、投開票された。過去最多の9人が立候補した京都選挙区(定数2)では、自民現職の重鎮、西田昌司氏が4期連続当選。
13、19年の選挙でともに得票率40%前後の圧勝を続けてきた西田氏だが、今回は自身の舌禍のため、日本維新の会新人で元関西テレビアナウンサーの新実彰平氏に、先に当確を許した。自身の当確後間もなく京都市内ホテルの報告会場に姿を見せると、満面の笑みで支援者と握手。「今回の選挙は私にとって最大の試練だった。開票前は、落選のあいさつも考えた」と、安どの声を漏らした。
西田氏は5月初旬、沖縄・那覇市での会合で、太平洋戦争末期の沖縄戦で犠牲となった学生や教員を慰霊する「ひめゆりの塔」の展示について「日本軍が入ってきてひめゆりの隊が死に、米国が入ってきて沖縄が解放されたという文脈で書いている。歴史の書き換えだ」と発言。撤回に追い込まれたが、同月末の月刊誌では再び発言について「事実は事実」と主張した。
この発言については改めて「発言が誤解を与えて、ご心配をおかけした。私の不徳の致すところ」と陳謝。一方で「沖縄の方を非難するような発言をしたつもりは全くない。発言の中身をよくご存じないまま、一方的に批判、報道が繰り返された。
維新は知名度の高い新実氏の擁立により、13、19年の参院選で続いた「自民、共産」の牙城を崩し、初めて議席を獲得。西田氏は3選を狙った共産・倉林明子氏との競り合いを制し、3期連続当選の父・吉宏氏を超える4選を果たした。