◆第107回全国高校野球選手権大会第2日 ▽1回戦 開星6X―5宮崎商=延長10回タイブレーク=(6日・甲子園)

 スタンドから大きな声援で宮崎商ナインの背中を押した。「打て!走れ!」。

近畿宮崎県人会の黒木公敬(きみたか)会長(72)は県人会の仲間たちと毎年甲子園へ足を運ぶ。「勝ち負けに関係なく、高校生の一生懸命な姿を応援する」と、エールを送り続けた。

 4月19日のオリックス・日ハム戦(京セラD・キャンプ地みやざきシリーズ2025)では始球式を務めた。結果はワンバウンドだったが、大観衆の前でプレーする気持ちを味わった。「より一層、子どもたちを応援するようになった」と語る口には熱がこもっていた。

 宮崎商はベンチ入りの20人全員が地元の中学出身だ。2点を追う9回。「とにかく頑張れ。粘りある宮崎県民を出してほしい」と黒木会長。ナインは土壇場で同点にし、ふるさとの意地を見せた。三塁アルプスは大盛り上がり。その後、惜しくも延長10回にサヨナラ負けを喫した。

 1954年(昭和29年)から甲子園で応援する同会・幹事長の中村美恵子さん(81)は「一生懸命な姿に胸を打たれる。(高校生が)社会人になり、重要なポストにつく事がうれしい」と、スポーツを通しての成長に目を見張る。オレンジ色のアルプスには球児にも負けない輝きがあった。

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