◆第107回全国高校野球選手権大会第5日 ▽1回戦 聖隷クリストファー―明秀学園日立(9日・甲子園)
初出場する聖隷クリストファー(静岡)は、第5日(9日)に明秀学園日立(茨城)と初戦を迎える。22年のセンバツ落選や昨夏の県準優勝を経て、ようやくつかんだ春夏通じて初の甲子園。
聖隷の絶好調スラッガーが、得意の右投手打ちでチームに初勝利を引き寄せる。勝負のカギを握る谷口は、静岡との決勝(7月28日、3〇1)で、5番打者として初回に先制の2点適時三塁打を放って存在感を示した。全国の舞台でも「先制に絡む活躍がしたい」と意気込む。6日のシート打撃では、長打も飛び出し、「調子は上がっています」と仕上がりは万全だ。
明秀学園日立のエース中岡誠志郎(3年)は最速145キロ右腕。県大会で他に登板した2投手も右投げだった。一般的に「右投手には左打者が有利」とされる中、谷口は右打者。「(中岡は)直球も変化球もスピードがあるが、自分は右が得意」と自信を見せる。
172センチで70キロと大柄ではないが、持ち味のパンチ力を武器に県大会で右投手相手に6割3分6厘の高打率を記録。左投手への打率は1割4分3厘と苦手意識があったが、逆方向に打つ意識と、全打席でノーステップ打法を取り入れたことで改善した。
上村敏正監督(68)は、初戦の展開を「投手戦で、ロースコアになる」と予想。
県決勝のスタメンでは左打者6人を並べ、県大会6試合でのチーム打率は3割3分5厘。明秀学園日立の3割5分3厘や、甲子園に出場するチームの平均3割3分9厘を下回る。しかし、左右投手別で見ると、右投手に対しては4割5厘と高い数字を残し、頼もしさが光る。谷口を筆頭にした聖隷ナインの右腕攻略に注目が集まる。
(伊藤 明日香)