日本相撲協会は1日、元小結・遠藤(35)=追手風=の現役引退と、年寄「北陣」襲名を発表した。今後は追手風部屋付きの親方として後進を指導する。

遠藤の父・吉樹さんは膝のケガなどと闘いながら、約12年間の現役生活を回想した。

 遠藤から吉樹さんに引退の連絡があったのは、10月27日の番付発表前だったという。最近は両膝の手術を受けて2場所連続全休。九州場所は13年名古屋場所から守っていた関取の座を失い、東幕下3枚目に転落していた。「両膝を手術した時から、何となくそんな気はしていました。体も小さい中でよく頑張ってきた。体もボロボロでしょう。本当にお疲れさまでしたと言いたいです」とねぎらった。

 日大4年でアマチュア横綱に輝き、13年春場所にデビュー。まげが結えるようになる前のスピード出世で、初土俵から所要3場所で新入幕を果たすと、端正な顔立ちと正攻法な相撲で脚光を浴びた。「お相撲さんとして見る息子は、テレビの中で相撲を取っていて不思議な感じでした」と吉樹さん。テレビCMにも起用され、不祥事で低迷していた大相撲人気の回復に大きく貢献した。

父は「本当にいろいろな人に応援してもらって感謝しかありません」と頭を下げた。

 ◆遠藤 聖大(えんどう・しょうた)本名・遠藤聖大。1990年10月19日、石川・穴水町生まれ。35歳。金沢学院東高(現金沢学院大付高)から日大に進み、4年時にアマチュア横綱。13年春場所に幕下10枚目格付け出しで初土俵。同年秋場所で新入幕。18年夏場所新小結。最高位は小結。金星7個、殊勲賞1回、敢闘賞1回、技能賞4回。得意は突き、押し、左四つ、寄り。通算は527勝494敗。

184センチ、144キロ。

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