◆米大リーグ ワールドシリーズ第7戦 ブルージェイズ―ドジャース(1日、カナダ・オンタリオ州トロント=ロジャーズセンター)

 ドジャースとブルージェイズのワールドシリーズは1日(日本時間2日)、ブ軍の本拠地ロジャーズセンター(カナダ・トロント)で3勝3敗で迎えた第7戦が行われる。ドジャースが勝てば球団史上初で1998~2000年に3連覇したヤンキース以来の2年連続ワールドシリーズ制覇となり、ブルージェイズが勝てば1993年以来32年ぶりの制覇となる。

 泣いても笑ってもこの日が現役最後の試合になる選手がいる。ドジャースの通算223勝左腕のクレイトン・カーショー投手(37)だ。9月に今季限りでの現役引退を発表。MVP1度、サイ・ヤング賞3度でドジャース一筋18年のレジェンドは、ポストシーズンでもブルペン入りして陰ながらチームを支えてきた。

 通常、ビジターチームの選手は滞在するホテルからバスに乗って球場入りする。だが、この日のカーショーは試合開始6時間前の午後2時頃に同時刻に開門となった報道陣用の入り口に姿を見せて周囲を驚かせた。両耳にはイヤホンをつけ、帽子をかぶって登場。サングラスやマスクはなく、一目見ればカーショーと分かり、気がついたファンはサインを求めて後をつけていた。

 だが、舞台はワールドシリーズ。報道陣を含めて入場のためにはパスが必要で、担当者が1人1人チェックしていた。ブルージェイズの選手が同出入り口を使用することは珍しくなく、担当する警備員も当然把握しているが、敵軍選手が現れるのは異例。身長193センチ、体重102キロの大男カーショーも例外ではなく、警備員は信じられないという表情で身分証明書の提示を求められる珍しい光景もあった。

カーショーはポケットから財布を取り出し、カードのようなものを見せて無事球場入りを果たした。さすがの左腕も苦笑いだった。

 現役生活最後の球場入りで起きたまさかの事態。思い出に残る珍事となったかもしれない。

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