フィギュアスケート グランプリシリーズ第4戦 NHK杯 最終日(8日、大阪・東和薬品ラクタブドーム)

 男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)2位の佐藤駿(エームサービス・明大)が自己ベストの189・04点をマークし、合計285・71点で2位だった。3連覇達成の鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)には一歩及ばなかったが、佐藤は日本男子の一番乗りでGPファイナル(12月、名古屋)進出を決めた。

 佐藤を指導する日下匡力(ただお)コーチがフリーの演技後に取材に応じ「彼の気持ちの強さですね、本当に。(佐藤は)けがと闘ってつらい思いをしてきたので、それがやっぱりいろいろ思い出して、彼の努力は、本当にすごかったなとしみじみ感じました。本当にうれしかったです。最高です」とこん身の演技を見せた佐藤をたたえた。

 SP2位で出たこの日は右足首に痛みを抱えながらも、冒頭の4回転ルッツを着氷すると、3本の4回転を含む7本のジャンプ全てを降りた。圧巻の演技後は右拳を突き上げ、客席はスタンディングオベーションで大拍手が起こった。日下コーチは「顔が自信に満ちあふれていましたね。けがを抱えながらもいい練習ができていた。本番にそのまま持って行けたというのが良かったと思います」とうなずいた。

 第2戦の中国杯に続き2連勝とし、日本男子一番乗りでGPファイナル(12月、名古屋)進出決定。同コーチは「スピン、ジャンプの時間、フリーの前半、後半などと分けて練習してきた。コンスタントに練習してきたのが、うまくはまった。

回数を跳ばず、けがも悪化させないように、練習方法を本人といろいろ話し合って、練習してきました」と取り組みを振り返った。

 GPファイナル、その先の来年2月開幕のミラノ・コルティナ五輪を見据えては「足も完璧ではなく、もう少しというところなので。痛みがなくなってきたらもっと自信につながると思うので、構成を上げられるところまで持っていけたらいいなと思います」と語った。

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