巨人が今月中旬から始まる育成練習を“フィジカルアップデート期間”と位置づけ、肉体強化に特化することが9日、分かった。今季3軍を主戦場とし、さらなる成長が期待される若手が、“総マッチョ化”計画で飛躍の土台を作り上げる。

 量と質の両立を図る秋季キャンプは13日で終了するが、育成選手たちに休んでいる時間はない。G球場で午後組の練習に熱視線を送った会田3軍監督は、「(秋に)これだけ実技をやったので、次はフィジカル。除脂肪体重(の目標)を一人一人に設定し、どれくらい数値が上がったかを見ていく」と構想を明かした。

 現状のプランでは午前9時ごろから1~2時間トレーニングを行い、鍛錬部位は日ごとに上半身、下半身などと分けながら自分を追い込む。その後はおのおのの課題に取り組む自主練習となる予定だ。肉体強化がスイングスピードや球速の向上につながるデータは得られており、各自が理想の除脂肪体重や筋肉量に近づくために時間を費やしていく。

 目指すのは代表級の練習量。会田3軍監督が例に挙げたのは、エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチが率いたラグビー日本代表「エディー・ジャパン」。15年のW杯へ向けた合宿等で「世界一」とされた練習量をこなし、同大会では南アフリカ代表を破る「ブライトンの奇跡」を起こした。3軍からの戦力台頭を目指す指揮官は、「エディー・ジャパンが取り組んだようなハードワークで」と宣言した。

 各選手には面談で理想値を通達済みで、「その数字を超えてほしい。野球をやめることは誰もが平等に訪れることで、それをいかに引き延ばすかが大事」。

いかに来春までに鍛錬を積めるかが、今後の飛躍を左右する。自分に打ち勝ち、鍛えられた筋肉は裏切らない。

 ◇巨人育成練習の想定スケジュール

 ▽午前9時ごろ ウェートトレーニングをスタート

 ▽同11時ごろ~ 自主練習

 ◆2015年W杯前のエディー・ジャパン合宿 5部練習も当たり前。早朝5時からスタートするフィジカル練習は、元格闘家・高阪剛氏の指導によるサーキットトレーニングが1時間休みなく続く。5キロのプレートを頭上に掲げて限界までエアロバイクをこぎ続け、おう吐する選手も。「選手たちに愛されようと思ったことはない」と豪語する指揮官は、昼寝の時間や練習後の飲酒まで管理。あえて理不尽な叱責(しっせき)をぶつけて追い込むことも日常茶飯事だった。

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