◆明治安田J1リーグ▽第36節 京都0―3横浜FM(9日・サンガS)

 横浜FMが敵地で3位の京都に3―0で勝利し、今季初の3連勝でJ1残留を決めた。

 前半35分にクルークスの右CKを谷村が頭で合わせて先制。

後半27分にMF天野が追加点を奪い、終了間際には植中が3試合連続ゴール。初の3連勝で16位にも浮上し、今季の最大の目標を達成した。

 残留の救世主とも言える存在のひとりが、FWアンデルソンロペスの退団に伴い、7月にJ2いわきから加入したFW谷村海那だ。初のJ1の舞台だったが、優れた得点感覚に加え、競り合いや体の強さ、前線からのハードワークなどの献身性で1トップで奮闘。この日の先制点のようにクルークスの高精度の左足キックから谷村が合わせる得点パターンが生まれたことも、チームの後半戦の巻き返しにつながった。試合後、谷村は「とてもうれしく思います。本当にうれしいの一言です」と笑みを浮かべた。

 加入した時点でチームは23試合でわずか4勝の最下位。残留圏内まで勝ち点差は5あった。崖っぷちとも言える状況は続いていたが、それでも谷村は「残留しなければいけないと思っていましたけど、特にプレッシャーはなかったです。マリノスは本当に仲間を信じ合っている感じでサッカーをしているので心配はなかったです」と振り返る。

 また「自分には得点しかないので、得点で応えることだけを考えてプレーしていた」という言葉通り、デビュー戦の名古屋戦で先制点を決めて以降、13試合で6ゴールを量産。

得点を決めた5試合は全て勝利する大車輪の働きだった。

 ただ、残留をつかむためだけに名門クラブに加わったわけではない。「今年は残留争いでしたけど、本当は優勝争いをしなければいけないチームなので、その覚悟を持ってきました」。厳しいシーズンを乗り切った経験を糧に、来季は優勝争いを演じるチームのエースとして奮闘する。

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