日本ハムドラフト4位の日大藤沢・半田南十内野手(18)が10日、神奈川県藤沢市の同校で入団交渉を行い、契約金3500万円、年俸530万円(いずれも推定)で仮契約を結んだ。木田優夫GM代行、坂本晃一スカウトとの交渉を終えた半田は「プロ野球選手になると実感できた。

しっかり活躍し、愛される選手になりたいです」と声を弾ませた。

 抜群のミート力が持ち味の中距離ヒッター。肩の良さを生かした守りに、俊足も持ち合わせた遊撃手だ。正式な入団までは、自主練習でさらに走攻守に磨きをかけていくつもりだという。「自分が一番うまくなったのは中3の夏以降の自主練習でした。自分と向き合う時間を大切にしたい」と休むつもりはない。

 野球以外の時間は自己啓発書などの読書にあてる。最近読んで感銘を受けたのは「世界一ワクワクするリーダーの教科書」(大嶋啓介著)。春季大会以降、リーダーシップについて考える時の指南書にしている。今読んでいるのは「不可能を可能にする大谷翔平120の思考」。日本ハムからメジャーへと巣立った偉大の先輩の思考法をかみしめている。

 ひたむきに物事に取り組む姿勢は、日大藤沢バレー部のOBでもある消防士の父・朋基さん(57)から学んだ。

日頃から人命救助に耐えうる強じんな身体を鍛えている父の姿を「かっこいいと思ってきた」。夢は小1の頃からプロ野球選手だったが「人を喜ばせられるようなこと」は、職業は違えど父から受け継いでいくつもりだ。

 前日はニッパツ三ツ沢球技場で、全国高校サッカー選手権の神奈川県大会を制した同校のサッカー部を応援。全国的にもレベルが高い神奈川県を制した友人たちから大きな刺激を受けた。「野球部とサッカー部はむちゃくちゃ仲がいいんで。互いに試合には応援に行きます。サッカー部には(自分の前に)日本ハムのユニホームを着て現れたヤツもいました」と笑った。

 母校愛は強く、中日の投手として活躍したOBの山本昌氏も尊敬する一人。「いつかは昌さんを超えられるような選手になりたい」と語った。契約金、年俸の一部は小中高と過ごしてきたクラブに還元したいと考えている。「もし必要なものがあれば。億を稼げる選手になったら大きなものをプレゼントしたい」と目を輝かせた。

(甲斐 毅彦)

 ◆半田南十(はんだ・みなと)2007年5月10日、神奈川・横浜市生まれ。鴨居小1年で野球を始め、6年時にベイスターズジュニア入り。東鴨居中では横浜都筑リトルシニアでプレー。日大藤沢では1年夏からベンチ入り。176センチ、76キロ。右投左打。家族は両親と兄、姉。

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