黒澤明監督「影武者」「乱」などで日本を代表する俳優として知られる仲代達矢さんが死去したことが11日、分かった。92歳だった。

劇団俳優座の舞台から役者人生が始まった仲代さんは、映画で有名になり、黒澤組を飾った名優の1人として国際的にも評価された。75年からは私財で俳優を養成する「無名塾」を始め、役所広司、若村麻由美らを輩出。昭和、平成、令和にわたって第一線を張り、生涯現役を貫いた。

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 仲代さんは今年5~6月、石川・七尾市の能登演劇堂で無名塾公演「肝っ玉おっ母と子供たち」の主演を務めた。2時間半の出ずっぱりという驚異の体力をは日々の鍛錬のたまものだった。

 3月、スポーツ報知のインタビューに応じた仲代さんは、毎日1時間近く、ジョギングと発声のトレーニングを明かしていた。「演劇をやる限り、何より大事なのは声。出さないと、どんどん衰えますから」という信念からだった。

 対極的ともいえる日課が晩酌。「まずビール1缶。おいしくてもう1缶。おかずに刺身でも出てくれば、日本酒が欲しくなって1合くらい」。

そして寝酒はウイスキー。いくら飲んでも酔わないといい「これだけは、どうもやめられなくてね」と話していた。

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