肺炎のため8日に92歳で死去した俳優・仲代達矢さんの訃報から一夜明けた12日、石川・七尾市の能登演劇堂(あゆみコーナー)には、仲代さんを追悼する献花台が設置された。

 同劇場は、仲代さん率いる無名塾が毎年のように公演を行ってきた場所。

東京生まれの仲代さんは「能登は第二の故郷」と言い、俳優人生の最後となった出演舞台(5月開幕)も、同所でのものだった。献花台が設置されると、ポツポツ人が訪れ、花を捧げた。地元から長年、愛され続けただけに、無名塾の公演が続くことを願う声が今後、増しそうだ。

 仲代さんと七尾市との出会いは83年頃、家族旅行で訪れ、ゆったりした時間の流れや豊かな自然に魅了されたのがきっかけ。85年からこの地で無名塾の合宿が始まり、地元の人々との交流を育くんできた。95年5月、同劇場が誕生。仲代さんは名誉館長を務めていた。

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