12日の社会人野球日本選手権決勝を制し、8大会ぶり2度目の優勝を果たしたヤマハ野球部が13日、浜松市内の本社で社内優勝報告会を行った。約300人の社員が集まり、大本拓海主将(28)が優勝旗を手に入場すると、会場は大きな拍手に包まれた。

山浦敦社長や申原(のぶはら)直樹監督があいさつを行い、監督や選手に花束が贈られた。

 決勝の日本生命(大阪、2〇1)戦で先発したエース左腕・佐藤廉投手(26)は、11安打を浴びながらも1失点で完投勝利を挙げた。熱戦から一夜明け「優勝した瞬間の景色が頭に残っています。今後もあの景色は忘れられないと思います」と感慨深げに振り返った。大会では先発3試合を含む全5試合に登板し、最高殊勲選手に選出された。連戦の中で力投を続け、「自分が優勝の瞬間にマウンドにいるとは思っていなかったので、心の底からうれしかったですね」と笑顔を見せた。

 今年主将に就任した大本捕手は「だんだんと優勝した実感が湧いてきました。大勢の方から連絡をもらって、優勝するとはこういうことなんだなと思いましたね」と語った。また、バッテリーを組む佐藤廉については「今年に入ってからさらに責任感が出てきました。今年、佐藤で負けた試合がないのですが、相手も対策を練ってくる中で、それを上回ろうと努力し続けた。その姿勢がこの優勝につながったと思います」と称えた。

 次なる目標は、来夏の都市対抗野球での優勝だ。

チームは2023年に準優勝、今夏は4強で涙をのんだ。大本は「必ず来年、都市対抗の優勝をつかめるように、チーム一丸となって、さらに強いチームになれるよう頑張ります」と力を込め、佐藤廉も「優勝に少しでも貢献できるように練習を続けていきたい」と意気込んだ。

  〇…申原監督は報告会で、「試合を通じて感動を届けたいと、都市対抗前の激励会で申し上げましたが、僕自身、選手たちのプレーを見てずっと感動していました」と振り返った。佐藤廉を全5試合に登板させた采配については「今までにないことをしてしまいました。少しネットを見ると“酷使”という言葉もありました。先ほど佐藤にも謝りました」。正直な胸の内を語ると会場には和やかなムードが漂った。ただ大会期間中に佐藤廉から「僕はチームのために、毎日でも投げます」という心強い言葉をかけられたことも明かし、エースとの強い信頼関係をうかがわせた。

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