巨人は13日、GタウンとG球場室内で10月29日から行ってきた若手主体の秋季キャンプを打ち上げた。阿部慎之助監督(46)は、この期間に臨時コーチとして熱血指導した球団OBの李承ヨプ(イ・スンヨプ)氏(49)=前韓国・斗山ベアーズ監督=に「1年間いてほしい」と来季の打撃コーチ就任を正式要請。

日韓通算626本塁打のレジェンドは「光栄です」と検討する姿勢を示し、浅野や門脇らの飛躍に期待した。

 秋季キャンプで、李臨時コーチは連日、野手陣から質問攻めにあっていた。大城、門脇、中山、佐々木、浅野らから積極的に話しかけられ、打撃で助言を求められた。個々の打撃練習をじっくり観察。それぞれに合うアドバイスを熟考して伝えた。

 04年から計8年間日本でプレーした豊富な経験が魅力。今キャンプは韓国語が話せるスタッフが通訳の役割を務めたが、選手と通訳なしでコミュニケーションを取る場面も多くみられた。「オレ、投げようか」と打撃投手を務めて熱投。「つまらないように!」など日本語で打撃指導した。

 周囲を驚かせたのは囲み取材の時。日本語の質問を全て通訳を介さずに聞き取って理解し、回答はより正確な内容を伝えるために「韓国語でいいですか」と通訳を通してコメントした。記者の質問に韓国語で回答し、通訳が日本語に訳す流れだった。

日本を、巨人を愛する熱意は2週間で着実に巨人ナインに伝わった。

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