ドジャース・山本由伸投手(27)が13日(日本時間14日)、メジャー全体のベストナインとなる「オールMLB」のファーストチームに先発投手として初選出された。大谷翔平投手(31)も指名打者としてファーストチーム入り。

同チームにはエンゼルス時代から21、23、24年に指名打者、先発投手としても22、23年に入っており、5年連続となった。

 「オールMLB」はその年の最強チームを作る表彰で捕手、一塁手、二塁手、三塁手、遊撃手、指名打者は各1人、外野手3人、先発投手5人、救援投手2人がそれぞれファーストチーム、セカンドチームで選出される。日本人選手でファーストチームに選出されたのは大谷翔平、20年ダルビッシュ有カブス)に次いで山本で3人目となった。

 メジャー2年目の今季、山本は渡米後初めて開幕投手を務め、30試合で12勝8敗、リーグ2位の防御率2・49、被打率1割8分3厘はメジャートップとエースの働きを見せた。開幕からチームでは唯一ローテを守り切り、9月6日(同7日)の敵地・オリオールズ戦では9回2死まで無安打無得点の快投。レギュラーシーズン最終登板となった同25日(同26日)の敵地・Dバックス戦では日本人史上7人目のシーズン200奪三振にも到達した。サイ・ヤング賞争いでも最終候補の3人まで残り、スキーンズ(パイレーツ)、サンチェス(フィリーズ)に次いで3位に入った。

 ポストシーズン(PS)でも躍動。ナ・リーグ優勝決定シリーズ第2戦の敵地・ブルワーズ戦でメジャー初完投を果たすと、ブルージェイズとのワールドシリーズ(WS)第2戦ではメジャー24年ぶりとなるPS2試合連続完投を成し遂げた。同第6戦では96球を投げて6回5安打1失点で勝利投手。そして第7戦では“中0日”で9回から登板し、延長11回にもつれる激闘となったが、2回2/3を無失点の神リリーフを見せて胴上げ投手となった。日本人で世界一の胴上げ投手になったのは13年上原浩治(レッドソックス)以来2人目の快挙だった。

 シリーズ4勝のうち3勝を挙げて日本人選手では09年松井秀喜(ヤンキース)以来、投手としては初のMVPに輝いた。WS3勝は01年R・ジョンソン(Dバックス)以来で、球団では史上初の偉業だった。エースとして数々の伝説を残した背番号18に新たな勲章が加わった。

 ◆オールMLB 2019年に創設された表彰で、ファンと専門家の投票によりア・ナ両リーグの区別なくファースト、セカンドチームを選出する。各チームとも先発投手5人、救援投手2人、捕手、内野手、指名打者は1人ずつ、外野手は3人が選ばれる。大谷以外の日本人選手では、先発投手として20年にダルビッシュ有(カブス)がファーストチーム、前田健太(ツインズ)がセカンドチーム、24年に今永昇太(カブス)がセカンドチームに選出された。

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