フィギュアスケート女子でグランプリ(GP)ファイナル(12月4日開幕、愛知・IGアリーナ)に臨む中井亜美(TOKIOインカラミ)が28日、千葉・船橋市で練習を公開した。テレビカメラ10台以上、50人を超える報道陣が集結。

「すごく緊張した」と目を丸くした17歳は初の大舞台へ「試合がすごく楽しみ」と笑顔ものぞかせた。

 今季シニアデビュー。GP第1戦フランス大会で鮮烈Vを飾ると、第3戦スケートカナダでも3位でGPファイナル進出を決めた。シーズン前半戦の大一番は、26年ミラノ・コルティナ五輪代表選考においても重要な位置づけとなる。自身の立ち位置の変化に「まだ実感が湧いていない」と言うライジングスターだが「夢から目標に変わっているのは事実。選ばれたい気持ちはもちろんある」と、五輪を視界に捉えている。

 この日はショートプログラム(SP)、フリーの曲をかけて調整。武器の大技・トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は跳ばなかったが、3回転ルッツ―トウループの連続ジャンプを降りるなど軽快な動きを見せた。GPファイナルではSP、フリーで1本ずつ3回転半を入れる予定。中井は「完成度を高めてどれだけ点数を出せるか」とにらむ。

 シニアデビューのGPファイナル制覇なら、浅田真央紀平梨花以来3人目の快挙。五輪選考レースも一歩リードする。

周囲の熱は高まるが「順位は気にしていなくて。ベストな演技を目指しています」と中井。地に足をつけ、夢舞台に近づく。(大谷 翔太)

 ◆中井 亜美(なかい・あみ)2008年4月27日、新潟市出身。17歳。5歳で競技を始め、21年に千葉県に拠点を移し中庭健介コーチに師事。千葉・南行徳中2年の22年全日本選手権で4位。23年世界ジュニア選手権銅メダル。25―26シーズンからシニアに転向し、GPシリーズフランス大会でシニアデビューV、スケートカナダは3位。通信制の勇志国際高千葉2年。趣味は音楽鑑賞。勝負メシは牛丼。

150センチ。

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