フィギュアスケートのグランプリファイナルから一夜明けた7日、女子5位の千葉百音(木下グループ)が会場の名古屋・IGアリーナで取材に応じた。ショートプログラムは1位も、フリーでジャンプ2本の転倒が響き、表彰台を逃した。

「昨日の状況を振り返ってみて、緊張を自覚することが、いかに大事かわかった。悔しさに浸っている段階で、それは甘え。悔しい気持ちを自覚して、その上で自分の弱さにふたをせずやり通していきたい」と現在の心境を語った。

 自身の演技やプロトコルは、いまだに確認できていない。フリーでの失敗に失意にくれている様子だったが、必死に前を向く思いを語った。「悔しすぎる結果に終わってしまったが、絶対にこれを糧にしてやるという強い決意でいる。やるせない気持ちで終わらないように、反省して次に向けて頑張ろうと思う」。頬には涙が伝ったが、懸命に次のステップへ進む覚悟を示した。

 今大会で最も課題となったのは緊張しているときの心境。「緊張している自分が弱いと思って、自覚する自分から逃げてしまった。弱さを認めてこそ強くなれる。二度と同じ悔しさを経験しないために心に刻んでいきたい」と声を震わせながら自らに語りかけるように話した。

 2週後にはミラノ・コルティナ五輪選考会を兼ねる全日本選手権(東京)を控える。「自分のスケート人生にとって一番、生死を分ける期間」と位置づけ、早急に修正に臨む。「背水の陣で、前だけ見て、自分にしか集中せずに打ち込むしかない」と時間は短いが、初の五輪代表入りへの強い気持ちで巻き返しを図る。「はい上がっていくしかない。やるべきことをやって、やりきったと思えるような自覚ある演技がしたい」。会心の演技でミラノ行きの切符をつかみ取る。

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